さよなら初恋 (ページ2)

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彼の名前は目黒蓮。
名前だけ割とかっこいい。

目の上に切り傷痕がある。

『何？』

「別に。」

チャイムが鳴る。

『あのさ、』

「何？」

『教科書まだ無いから一緒にみてもいいか？』

うん、という前に席をくっつける。
勝手に席をくっつけてオマケに授業中は
居眠りをして先生に注意されていた。

休み時間になると、

『アイツの授業、クソつまんないな。』

「そう？」

『あぁ。何言ってるのか俺にはさっぱりだ。』

意外と面白い転校生。

放課後。

『また明日な。』

「また明日。」

そう言って彼は帰って行った。
私は部活があるから音楽室に向かう。

「やばいでしょ。」

〔いいじゃん。転校生の目黒くん。

もう他の学年の噂になってるんだって。〕

「何が？」

〝爽やかイケメン〟

〝高身長〟

〝〇〇高校No.1のイケメン〟

「へえー。そうなんだ。

みんなあの人のそういう所がいいんだ。」

〔杏は男運ないよね。フルートが恋人みたいだね。〕

〝じゃあ始めます〟

楽器を奏でるその音色は外まで聞こえる。

〝もう一回。来週コンクールだよ。

そんなので賞とれないわよ〟

「はい！」