HP開設！ヴァンパイアたちのお姫様!～second～ (ページ10)

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５９話ページ10

あ「・・・」

私はどんどん近づいてくるアレン君とは逆に、後ずさっていた

怖い・・

知っているはずのアレン君が・・

全く別の人に見える

アレ「やだなぁ・・逃げないでよ・・」

グイッ!!

アレン君は私の手を取り、思い切り自分に寄せ、私を胸の中へと引き入れた

あ「きゃぁっ!」

私は倒れるようにアレン君の胸の中へと入っていった

私はただただアレン君が怖かった

あ(・・誰なの・・？この人は本当に・・アレン君なの!?)

まるで・・全く知らない人といる・・

そんな気分になっていた

アレ「・・・怖がらないで・・やっと・・やっと手に入れた権利なんだ・・」

あ「えっ・・」

あ(権利・・?)

私にはその言葉の意味がわからなかった

やっと手に入れた権利

一体何の権利なのだろうかと・・

でも、今の私には正常に判断できる思考能力がないことだけはわかっていた

あ「・・・離して・・アレン君・・」

私がそう言うと、アレン君は笑った

アレ「いや・・離さないよ・・」

あ「・・・」

その言葉に私は言葉を失った

この人は・・時折声が悲しそうに聞こえる・・

とても・・とても悲しそうな声・・

私は無理に突き飛ばしてまで離してもらおうと思う気持ちにはなれなかった

あ「・・・あなたの話・・今は聞けない・・」

私は顔をうずめながらそう言った

アレン君は優しく、綺麗な声で言った

アレ「なら、別に急がないよ・・君がきいてくれるという日を・・待ってるから・・」

あ「・・アレン君・・」

時々、アレン君がすごく小さな子供に見える・・

駄々をこねているように見える・・

今の離さないってのもそう・・

私はどうして・・昔の知っているアレン君との違いばかりを見つけてしまうのだろう・・

私の知っているアレン君・・

それは・・

とても大人な男の子だったから・・？

それすらも・・今じゃわからなくなっていた