HP開設！ヴァンパイアたちのお姫様!～second～ (ページ38)

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８７話ページ38

メ「母のようなお前のそばにいれば私の苦しみも癒えるかもしれん。さすれば私も紫藤家への復習もしなくなるだろうな・・・。」

メリアは私に含みのある笑みを見せた。

何か考えている。

そうわかっているのに・・：

その含みの笑顔の裏にあるもうひとつのさびしそうな表情・・・

私はそれが気になって仕方なかった。

あ「あなたのそばにいれば・・・皆には手を出さないと・・約束してくれる・・？」

メ「あぁ・・。約束しよう。」

メリアはすごく安らかな笑みを浮かべた。

私はその笑顔にドキッとした。

まるで幼子のような無邪気さがどこかにあった。

私は思った。

やはりメリアは・・・

さびしかったんだ。

メ「さて・・どうする？・・交換条件を飲むのであれば私に口づけをしろ。」

あ「！！」

メリアは口元に笑みを浮かべている。

私が条件を飲むと確信している。

確信しているからこそ、こんな意地悪な要求をしてきたのだと気づく。

でも・・

あ「じょ、条件は飲むは！でも・・・！」

口付けなど恥ずかしくてできるわけがない。

ましてや殿方から出なく、自らするなどもってのほかだった。

メ「するのか？しないのか？」

メリアはそれ以外を私に言わない。

私は何もできず、固まってしまった。

メ「早く決めろ。お前を術にかけ操り、紫藤家のものにお前の嫌がることをすることもできるのだぞ？」

そう言い放つメリアの目は真剣だった。

私は意を決し・・・；

チュッ・・

頬に口づけをした。

メ「！！」

メリアは頬に口付けられたことに驚いていた。

あ「し、したわ！れっきとした口づけよ！あなたは場所を指定していなかった！！も、文句は言わせないわ！！」

メリアは私をじっと見つめ、私を抱きしめた。

あ(な・・・なにっ！？)

状況がよくわからない。

そんな私にメリアが耳元でささやく。

メ「いじらしくかわいい娘だ・・・。」

あ「えっ・・」

メリアは大きな体で私をやさしく包み込んでいた。

メ「何かを・・愛してみたくなった。人間は弱いと思っていたが・・弱いものが強いものに噛み付く。よその威勢のよさもまた美しいと思う・・。」

メリアはパチンッと指を鳴らしたのだった。