HP開設！ヴァンパイアたちのお姫様!～second～ (ページ30)

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７９話ページ30

サクラさんに連れられ、私たちは大きなお城に入った

ここまでで驚いたことは二つ・・

私たちの住むこの地球に私たちの知らない空間があったということ

(私が最初に落ちそうになった泉・・あそこがヴァンパイアの世界と私たちの世界をつなぐ扉になっていたなんて・・)

私はもう、現実に生きている実感がなくなってくる。

おとぎ話のような世界に足を踏み込んでいる気がする。

そんなことを考えていたら、いつの間にか大きな扉の部屋に通され用としていた。

サ「さぁ・・このなかへ・・」

サクラさんがそういった。

誰もが一度その足を止める。

しかし、しぶしぶとはいって行った。

私もみんなに続いてはいろうとしたときだった。

「ほぉ・・お前がアレクのお気に入りか・・」

私はいきなり耳元で誰かに囁かれ、体をびくりとさせた。

次の瞬間私の口は塞がれ、視界はどんどんぼやけていった。

そして、最後に私の目に映った光景は締まりかける扉の隙間からアレク君が私の方を見て驚き、手を差し伸べてくれる姿だった。

ア「Aっ！！」

アレクの声と共に扉はしまった。

ガチャガチャ！！

タイトが扉を開けようと扉の取っ手をつかみ、思い切り引く。

しかし、扉はビクともしなかった。

ドンドンっ！！

アレンが扉を叩く。

そして、静かに目を閉じた。

アレ「ダメだ！この扉は妖術がかかってる！・・・メリアの臭いがするもん！」

その言葉に驚いたようにベリルが口元を引きつらせた

ベ「に、臭いって・・お前そんなのわかるのかよっ・・」

アレ「・・まぁね。」

その言葉を最後に場に沈黙が広がる。

ラ「・・・一体何を考えているんだ・・メリア。」

ラトがそう言うと、タイトがあきれ顔で言った。

タ「本当はもう気づいてるくせに・・ただ・・そうであって欲しくないと願ってるだけ・・」

その場にいる全員が感づいていた。

アレクの唯一親しい人間の少女。

メリアはアレクがもう血を吸ったと思っている。そして、アレクの一番大事な女性であるAを我がものにしようとしている。

誰もがそう感づいているのだった。