HP開設！ヴァンパイアたちのお姫様!～second～ (ページ16)

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６５話ページ16

あ「・・アレン君は・・優しい・・だけど・・とても不器用・・だから・・」

ク「えぇ・・キサラが頼むものをすべて与えてた・・私の不器用な愛を・・複雑な愛を・・あの子が代わりに与えるように・・」

でも・・

それは違う・・

それは・・

あ「それは・・愛じゃない・・」

私がそう言うと、クリスタルさんは笑った

ク「えぇ・・そうね・・。だから・・あなたに頼めるかしら・・?」

あ「えっ・・」

クリスタルさんは私の額にキスをした

ク「二人に・・私の代わりに・・本当の愛を・・」

視界がどんどん白く染まっていく

あ「ク、クリスタルさん!!」

白く染まっていく視界の中でクリスタルさんの声だけが聞こえた

ク「どうか・・二人に・・教えてあげて・・・」

それだけの言葉を残し、クリスタルさんは消えた

あ「・・・」

気づけば私はベンチの上で座っていた

手には真っ赤なバラがあった

私は何を悩んでいたんだろう・・

本当はいたって簡単なことを・・みんなの言葉に惑わされ、難しく考えていた

アレク君はいなかったんじゃない・・ずっと「居た」んだ・・

キサラ君は消えたんじゃない・・アレン君になったんだ・・

アレン君がキサラ君を消した・・そしてアレク君を産んだ・・

そのみんなの言葉から考えられるのは一つ・・

・

あ『・・アレン君は・・優しい・・だけど・・とても不器用・・だから・・』

ク『えぇ・・キサラが頼むものをすべて与えてた・・私の不器用な愛を・・複雑な愛を・・あの子が代わりに与えるように・・』

・

そう・・きっと・・キサラ君が頼んだんだ・・

アレンという名が欲しい・・と・・

キサラ君はきっと・・母親に愛されているアレン君になりたかったんだ・・

そして、優しいけど、不器用なアレン君はその願いを聞き入れた

そして、キサラ君はアレン君にアレクという名前を与え、キサラという名を捨て・・アレンになった・・

あ「だから・・私の知っているアレン君は違うんだ・・」

ただ一つ・・

気になること・・それは今のアレン君に初めて会ったときのこと・・

アレン君は私を知ってたし、思い出も知っていた・・

それはどういうことかはわからないけど・・

こんな優しさは間違っている

だから・・だから・・二人には話し合う時間が必要なんだ!!

私は心からそう思った

そして、気づけば体が動いていたのだった