HP開設！ヴァンパイアたちのお姫様!～second～ (ページ15)

今日:12 hit、昨日:16 hit、合計:53,082 hit

６４話ページ15

あ「・・クリスタルさんは間違った愛し方はしていないと思います」

ふに落ちない気持ちが勝手に私の口を動かしていた

ク「えっ・・」

私は続けて言葉を放った

あ「子供って・・わからないんですよ・・大人の愛情って・・深すぎて・・大きすぎて・・小さな器には入りきらないんだと思います・・私は・・親に愛を注がれたことはないので・・わかりませんが・・」

私が親からもらった感情・・

それは恐怖と憎しみ・・

いつも殴られ蹴られ・・自分が必要ないと感じさせられていたから・・

親の気持ちなんて・・

わかるはずもなかった

そんな私に、ひとつの記憶が蘇る・・

あれは、私がおばあちゃんに行ってはいけないと言われた場所へ勝手に行った時だった

おばあちゃんにすごく怒られた

それが悲しくて・・辛くて・・

でも、おばあちゃんは怒られて泣いている私を優しく抱きしめながら言ってくれた言葉があった

あ「おばあちゃんが言ってました・・愛があるから怒るんだって・・愛があるから・・一つ一つの行動が気になって、注意してしまうんだって・・その時言われました・・今すぐはわからないでいい・・大人になってから分かってくれればいいって・・」

きっとまだ・・それを知らないでいるのはキサラ君が子供だから・・

あ「まだ・・子供だからしていいことと悪いことが・・愛されているか愛されていないかが・・わからないんだと思います・・」

私はキサラ君を見つめながら言った

クリスタルさんはそんな私を見ながら、切なそうに言った

ク「・・それでも・・私の愛がわかりやすかったら・・アレンにも・・キサラにもあんな辛い思いはさせなかったのかもね・・」

クリスタルさんは私にバラを積んで渡した

ク「キサラは・・バラが大嫌いなの・・アレンはバラが大好き・・。お願い・・Aさん・・気づいてあげて・・あの子達はお互い傷ついている・・きっと・・あなたが気づいてくれないと・・二人の傷は癒えない・・」

私は薔薇を見て、確信を持ったのだった