HP開設！ヴァンパイアたちのお姫様!～second～ (ページ14)

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６３話ページ14

あ「んっ・・」

目が覚めれば、そこには小さな男の子が二人いた

あ(・・確か・・アレン君とキサラ君・・だよね?)

レイナードさんに説明されたように私は二人を認識した

雰囲気的に今のアレク君に似ているのはアレン君だった

アレン君はクリスタルさんとふたりで花に水をやっていた

それを遠目にキサラ君が見つめているという感じだった

なんだか・・二人には溝があるように見えた

私は二人に気づかれないように近寄ろうとした

その時だった

ク「大丈夫・・あの子達には見えないわ・・あなたの姿はね」

私はクリスタルさんに手を引かれ、キサラ君の隣に立っていた

ク『みて・・アレン。バラはね・・育てるのはとても難しいの。愛情がなくなったらしぼんでしまう・・ちってしまう・・まるで、生きている者の心のようにね・・』

ア『・・・生きている者の心?』

ク『えぇ』

優しく微笑み合う二人を不安そうにキサラ君が見つめていた

ク「キサラは・・かわいそうな子なの・・」

あ「えっ・・」

私はクリスタルさんの言葉に驚いた

まさか・・そんな言葉を聞くだなんて思っていなかったから・・

ク「あの子はね・・末っ子なのよ・・だから・・ずっとずっと・・誰かに甘えながら生きてきた。そんなあの子はたくさんわがままを言って・・人を困らせていたの・・」

私はその言葉を聞いて思った

あ「まるで・・アレク君はアレク君・・キサラ君はアレン君・・そんなふうに思えてきました」

私がそう言うと、クリスタルさんは笑った

ク「あながち、間違えではないのかもね・・」

クリスタルさんは黙りこんだ

そして、沈んだ声で話しだした

ク「私はダメな母親だった・・アレンがこの・・美しく咲く真っ赤なバラなら・・キサラはしおれ、花びらをちらしてしまったバラ・・キサラには・・私の愛情はないも同然だったの・・」

あ「・・クリスタルさん・・」

クリスタルさんは私に笑顔を向けた

ク「私ね・・わがままなあの子を起こってばっかりで、アレンばかりをほめていたわ・・同じ分だけの愛情を注いでいるつもりだった・・でも・・子供って不思議よね・・愛情の大きさの違い・・そんなものに気づいてたのかも・・」

クリスタルさんはまるで、自分はアレン君だけを可愛がっていたのかもしれない・・

そんな言い方をしていた

私はその言い方はどうしてもふに落ちなかったのだった