HP開設！ヴァンパイアたちのお姫様!～second～ (ページ12)

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６１話ページ12

さっきアレン君に抱きしめられた時と違う・・

暖かくて・・懐かしい・・

とても落ち着く・・

ア「・・本物や・・偽物・・そんなの関係ねぇよ・・」

あ「・・アレク君・・」

アレク君は私の背中をポンポンッと優しく叩いてくれた

ア「例えもし・・俺が昔のアレンそっくりだったとしても・・大事なのは昔じゃねぇ・・思い出じゃねぇ・・相手を見るのに必要なのは・・過去じゃなく・・今だろ?」

アレク君の声はとても優しくて・・

心地よかった

ア「人間は変わる・・でもな・・ヴァンパイアだって・・性格や見かけ、いろいろと変わったりするんだよ・・だから・・過去に縛られるな・・なっ・・」

優しいアレク君の声は今まで眠れなかった私の眠気を誘った

私の長く・・暗かった心は夜明けを迎えた

この暗かった空に太陽が登り、夜から朝に変わるように・・

私の心にアレク君が太陽をくれ、夜から朝に・・心は晴れていったのだった・・

あ「すぅ・・・すぅ・・・」

ア「・・寝ちまったか・・」

アレクは近くのベンチにAを寝かした・・

ア「・・・お前はすげぇよ・・気づいちまうんだな・・何もかも・・この花の場所も・・俺らのことも・・」

アレクはAの肌に触れた

消して触れられぬはずの肌に

そっと・・優しく触れたのだった

ア「・・俺らも前に進まねぇとな・・タイト・・」

アレクがそう言うと、森の方からタイトが出てきた

タ「・・進むって・・どうやって・・」

タイトの表情は闇のようだった

黒く深い・・闇のようだった

タ「場所を変えよう・・僕はAの前ではまだ・・あの僕にはなれないんだ・・」

アレクはタイトについていった

そして、アレク達がいなくなってからアレクが木の陰から姿を現したのだった

・

・

タ「・・前に進むって・・どうするつもりだよ・・」

タイトはアレクに問いかけた

ア「・・昔のことを・・忘れるんだ」

アレクはまっすぐタイトを見つめ、そう言った

タ「・・はっ・・」

タイトは声を張り上げた

タ「ふざけてんじゃねぇよ!!お前だっていい加減にやめればいいじゃねぇか!!あいつに言ってやれよ!!お前は・・お前はアレンなんかじゃねえ!!お前はキサラだって言えばいいじゃねぇか!!いつまでもいい兄ぶってんじゃねぇよ!!」

タイトの言葉にアレクの顔は暗く落ちた

タ「あっ・・」

タイトの表情もくらくなった

ア「・・そう・・かもしれねぇな・・」

アレクはそう言ってその場を去ったのだった