15 ページ15
『宿題ね』
「え？」
『次俺と会う日までに誕生日の予定を立てておくこと！』
「...」
『ね？』
「気が向いたら...」
"次合う日まで"それはきっと明日のことなのにテヒョンさんは分かって言ってるのだろうか
テヒョンさんと別れて家に着くといつも通り明かりはついていない
冷たいリビングの電気を点けるとテーブルの上にはママの柔らかい字でメモが置いてある
[Aおかえり。お鍋に入ってるスープ温めて飲んでね。そういえば誕生日プレゼントはいつも通りでOK？]
機械が苦手なママの私へのメモ書きは仕事が遅くなる日はほとんど置いてある
メモ書きへの返事はいつもラインか朝顔を合わせた時にしている
パパとママが帰ってきて2人揃うまで多分あと5時間はある
テヒョンさんの顔を思い出しいつもは先に寝てしまうものの今日は起きて待ってみよう
そう決めてソファへ横になるとテレビをぼーっと眺めた
『ただいま〜』
その声にはっと顔を上げる
いつもは寝ている時間なのでつい転寝していたみたいだった
「おかえり」
『あれ？どうしたの？いつも寝てるのに』
「ん〜ちょっとね。パパまだかな？」
『もうすぐ帰ってくるんじゃない？やだ、ご飯食べてないの？』
「...うんママたち待ってようと思って」
『あぁそう？じゃあ温めるから待ってて』
「うん」
そうこうしているうちにパパも帰ってきてお正月ぶりに3人そろったご飯の時間
『あ、Aメモ見たでしょ？いつもどおりでいい？何かほしいのある？』
そのママの言葉に緊張してしまう
今こうして待っていたのはこの為なのに中々言葉が出ない
「あの...パパもママもすごく忙しいと思うんだけどさ...」
不思議そうに私を見つめる2人
「誕生日...3人でご飯食べに行きたい...な...」
しばらくの沈黙の後顔を上げると嬉しそうに笑っている2人がいた
『何食べたいんだ？』
『せっかくだからママ半休とっちゃおうかな』
「え、いいの？」
『いいに決まってるだろ』
『ママたちAが誕生日はもういい、って言うからお友達とかと過ごしたいんだと思って寂しかったんだよ。ね？パパ』
『まあな』
そう言って笑う2人を見てテヒョンさんの言葉を思い出す
勝手にそう思い込んでいたのは私だけで伝えてみないと分からないんだ
そう思うとあの得体のしれない靄が少し晴れた気がした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 478人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おさる - 一回だけじゃなくて何度も見たくなるようなお話でした。次回の小説も楽しみにしています！ (2018年9月27日 10時) (
レス) id: 61e830c75b (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - らむさん» そう言っていただけて嬉しいです（；；）ありがとうございました！ (2018年7月19日 11時) (レス) id: 6fe35b1797 (このIDを非表示/違反報告)
らむ - 感動……すごく面白くて楽しかったです！！映画で見たいくらいです(*^◯^*)大好きなテテでこんな素敵なお話書いてくださったことに感謝です！！ (2018年7月19日 1時) (レス) id: a7a9735bca (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ゆんさん» お付き合いありがとうございました(>_<) (2018年7月17日 18時) (レス) id: 67f3dc7c68 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - とても素敵なお話をありがとうございました^_^ (2018年7月17日 17時) (レス) id: 8e5cc19314 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白 | 作成日時：2018年6月23日 18時
