ぷれいがｰると４人の狼。 (ページ34)

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さんじゅうよんページ34

美空side

ごめんね、Aちゃん。
本当にごめんね。

永瀬『さ、帰るで。』

美空『う、うん…』

静かな廊下を2人で歩いていると、
1人の人影が見えた。

岸『はい、すとｰっぷ。』

そうやって怪しく笑う。
正直、この岸先輩の笑顔も、
岸先輩自体もあまり好きではない。

岸『生徒会室、おいでよ。』

私たちは、黙ってついて行くしかないの。

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ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ――――

神宮寺『ちぃｰっす、美空ちゃんと永瀬っち。』

顕嵐『2人で帰るところ、邪魔しちゃったね♪』

嫌味なのか、何なのか。

岸『さ、報告してもらおうか。』

あの大きな目が私を捕らえるから、
きっと私から言うのだろう。

美空『言われた通りに…言いました。』

岸『ちゃｰんと、永瀬くんって私のこと本当に好きなのかな。
って悲しそｰに話した??怪しまれなかった??』

もう、この人たちはきっと狂ってる。

美空『はい、…。』

嘘ついて、ごめんね。Aちゃん…。

岸『それならよｰし。次は永瀬だ。』

永瀬『もう、これやめへん??
美空やって俺やって好きでもない人と
付き合うふりなんて嫌やわ、もう。』

岸『お前はさ、美空のことただ好きで
いればいいの。なのに、Aに好きだなんて
余計なこと言いやがって。ふざけんなよ。』

何で、どうして永瀬くんが責められてるの??

ただ、一途にAちゃんのことを
想ってるだけ、何が悪いんだ…。

なｰんてことは臆病な私は口には出せない。

永瀬『もう、普通にAを愛させてや!!』

神宮寺『Aの“初めて”まで奪っておいてさ。
俺らのAなの。どこまで奪うつもり??』

岩橋『あ、そｰだ。そのAちゃんの“初めて”を
永瀬が奪ったなんてさ、僕たち知らなかったんだけど。』

永瀬『それ言ったら、もっとAから俺を遠ざけるやろ。』

神宮寺『あと…さ、俺が美空邪魔だって言ったこと
Aに話したそうじゃん。そのせいでAが
俺らから離れて行っちゃった。』

岸『戻ってくるには、また2人のご協力が必要なの。
Aのことが大切な2人はもちろん引き受けてくれるよね??』

これだから岸先輩の笑顔は嫌いだ。

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