記録079 ページ32
「これで、全部ですか…？」
出てきただけのマフィアを殺し、ようやく一息つけるようだ。
堕天を解いて、サーベルを鞘にしまった。
「…何人殺した。」
Aは軽く悩む。
「30人くらいでしょうか、ここまで無双したのは初めてですね…。」
オレとだいたい同じくらいか。
よく見ると、白かったはずの床は赤く染まっている。
返り血も多少。
まるで血の海じゃないか。
殺人鬼のようだ。
「………。」
やはりさっきからAの様子がおかしい。
「さっきからどうしたんだ？」
「どうした、って…特に何もないですが…何か変ですか？」
自覚がないのか…？
「殺人を重ねる度に、少しずつAの反応が鈍っていたんだ。まぁ…これだけの人数だし、無理もないが…。」
「…!!」
やはり何か思い当たる節があるようだ。
「私は…たくさんの人を殺したくてこの力をもらったわけではありません。だから…。」
だから…？
「血を浴びるのが怖いんです、本当は。私はたった一人殺したくて魔人になった人間です…。」
そう、だったのか…。
“たった一人”か…。
オレも“たった一人”を救いたくて、魔人になったからな…。
「オレも同じだ。これは人を殺すために手に入れた力じゃない。」
「オスカーさん…。」
しばらく無言が続いていた。
仕方ない、ここまで動きっぱなしだったのだから。
ここを通すわけにはいかないのでここにはいなければいけないんだが。
「……!!」
声がした。
誰だ…!?
サイレンが聞こえる。
警察か…!?
「同じだ。ここを通してはいけない…!!」
Aはうなずいて弾を補充した。
しばらく警戒していると、突如寒気がした。
寒気というよりは…冷気か…？
なぜ…。
「あ、いたいた〜!」
この声、聞いたことがある…。
「久しぶりだねぇ、隊長さん、前衛さん!!」
アリス・グリッダー…!?
「氷界の魔女がどうしてここにいるんだ、私たちが逮捕したはずだ…!!」
突然の出来事に困惑する。
「うふふ、驚いてるのはわたしも同じ!びっくりしたわ〜…まさか警察に魔人が2人もいるなんて!!」
優秀な頭脳を失ったと言っていたか…。
相変わらず話がかまないな…。
「わたしは終身刑中、急に呼び出してなんだろ〜って思ったら…びっくり!!わたし、市長の役にたてるの!」
そういうことか…!!
「今はわたしが正義であなたたちが悪だね!」
正義…。
それは…違う…!!
「何度だって同じだ。オレたちの邪魔をするなら容赦なく消す!!」
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蓮叶(プロフ) - とても気に入りました！ 更新とても楽しみにしています！！！ (2019年8月15日 17時) (
レス) id: 82d37cdb35 (このIDを非表示/違反報告)
円香(プロフ) - ログインしました〜！作品と合わせてよろしくお願いします！ (2018年4月15日 20時) (レス) id: d1740a14bb (このIDを非表示/違反報告)
海里(プロフ) - すごい、気に入りました！！ 更新頑張ってくださいー！ (2018年1月26日 21時) (レス) id: 1fd6b096c4 (このIDを非表示/違反報告)
円香 - 皆さんコメントありがとうございます!!とても力になります…! (2018年1月11日 17時) (レス) id: d1740a14bb (このIDを非表示/違反報告)
大神 - 凄く良かったです。更新頑張ってください！ (2018年1月5日 22時) (レス) id: e5b82fa08b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：円香 | 作成日時：2017年11月30日 18時
