僕の歌を君に。 3【短編集】

△花 ページ28

君が二人の部屋からいなくなった。



もう理由はわかってる、あの子のところへ行ったのね。




君がいなくなったこの部屋の冷蔵庫のあまりもの、片付ける気力もないわ。








.









いつでもそばにいるような男だと思ってた。


いつかどこかへ行っちゃうなんて、




『……そんなの、あんまりだよ。』









あの子はいなくなって。


花も全部枯れちゃって。




勇人の恋も全部枯れてしまったのね。





だからと言って、勇人が私の元へ帰ってくるかと言えば、





『んー…そうでもないなあ……でも、』



勇人が私をほっぽいて追いかけた花屋のあの子はどこへ行ったの？







いつでもそばにいるような私みたいな女より、


いつかどこかへ行っちゃうような、花屋の子みたいな、そんな女がいいんでしょう。





勇人が追いかけたあの子は、きっと花咲く季節を終えて…



もうきっと勇人の元には戻らないね。





だから、ねえ。



どうか、私の元へ帰ってきて。



もうどこにも行かないって約束して。






私は花のように枯れたりしないから。





((勇人はもう帰ってきてないけど、今はどこでふらふらしてるのかしら。


…怒ったりしないから、帰ってきてよ。))

＊Darling 中島卓也→←△花 坂本勇人

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