僕の歌を君に。 3【短編集】

■幸せ ページ26

『でさ、茉優がまた同じこと言って笑』



あなたが今しているのは私が一番聞きたくない話。





なのに、それでも聞き続けるのは



あなたに会えなくなるよりは



まだ、少しだけましだから。







「ねえ卓也。」




『ん。終電はまだやけん。あと３７分後。』




「あ……ありがとう。」





私が聞きたかったのは終電の時間でも、





『茉優はちょっと危機感なさすぎる。危ない。』




好きな人の悪口(？)でもなくて。






「…何にも気付かん？」




『ん？何が？』






…せめて、今日のために切った髪に気付いて



『似合ってる。』って、言ってほしかった。＿＿＿









.









最初から、卓也の幸せしか願ってないんだから。




それがたとえ私じゃないとしても、






ちゃんと最後は……






隠した想いが見つからないように、



横から背中押してあげるから。






もう少し、ここにいて…＿＿＿＿








こんなに好きになる前に、



どこかで手は打てなかったのかな。




私が望んで恋したんだから。



叶わなくても、私の気持ちが伝えられなくても、




こんな気持ちになれた事を大切にしたい。





「本当だよ、本当なんだよ……」






会いたくて、でも、ほら。



横にいてもまた、辛くなってる。




「…茉優ちゃんよりも、


私の方が先に好きになったのになあ…」





でも、私が卓也を好きなくらい


卓也も茉優ちゃんを想ってるなら、




「…私じゃ、やっぱりダメだね…っ。」









最初から、卓也の幸せしか願ってないの。




それがたとえ私じゃないとしても、






ちゃんと最後は……






卓也は人には敏感なんだから。



隠した想いが見つからないように、



横から背中押すから。





「…じゃあ、私先に帰るね！


ばいばい卓也、茉優ちゃん！」




『え、おい！待てって…ごめんな茉優。』




茉優「大丈夫ですよ笑


…Aさんと一緒に帰ってあげてください。」








茉優ちゃんを誰よりも幸せにしてあげて…＿＿＿＿





(待てって！なして先に帰ると。)


(何も気付かないくせに！ばか！ばか卓也！)


(！？…A、今日どげんしたと？)


((好きってたった二文字が伝えられたら、


私のこの気持ちは楽になるはずなのにね…))

△花 坂本勇人→←■幸せ 中島卓也

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