ナナイロの糸 (ページ21)

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第21話【silk side】ページ21

Aに電話した日、テレビの取材やイベント並に緊張した。
なるだけ普通にって意識はしてたけど、いざ話すとなると何を言えばいいか分かんなくて、帰って来いとか、急に居なくなって怒るべきだったんだろう。
事情がまだ分からないから言葉が出て来なかった。

情けねぇ、自分が。

何年も一緒に居たのに。

ﾏｻｲ「本当に大丈夫か」

ｼﾙｸ「ん？」

ﾏｻｲ「一人で行くって」

ｼﾙｸ「おう！明日帰ってくる予定だけど動画頼むわ」

ﾏｻｲ「こっちは任せて」

やっぱり心配だよな、ンダホやモトキからもずっと連絡来てるし。
俺だって既に緊張してるよ。
今日の朝、てつやから連絡が来てオンエアハウスに居た事を教えてもらった。
結構色んな場所を転々としてたんだな。

あいつの顔見たら色々我慢出来なくなるかもしれない。
手だけは上げないように。
多分、無理だけど。

ｼﾙｸ「よっしゃ、んじゃちょっくら迎えに行ってくるわ」

ﾏｻｲ「気を付けて」

ｼﾙｸ「おかえりパーティの準備頼んだぞ」

ﾏｻｲ「ガッテン」

雨上がりの空は綺麗で眩しかった。
喧嘩した訳でも無いのに緊張してる俺を勇気付けるように虹がハッキリと見える。

ｼﾙｸ「良い天気」