ナナイロの糸 (ページ20)

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第20話【tyun side】ページ20

昨夜食べたラーメンは本当に美味しくて、東海の皆の優しさも凄くて、色々と満たされた。
もう帰らないと、なんて事も考えれるようになった。
いや、考えなきゃいけない。
東海だって忙しいんだし、皆が待ってる。
多分。待っててくれたら嬉しいな。

てつや「本当に大丈夫？」

『うん、大丈夫大丈夫』

りょう「喧嘩しちゃ駄目だよ、シルクと」

『大丈夫』

としみつ「皆に宜しく言っといて」

『うん』

虫眼鏡「本当に駅まで送ってかんで大丈夫？」

『もう、大丈夫だってば』

沢山心配してくれて、玄関まで皆勢揃いの豪華なお見送りに思わず笑ってしまう。
久し振りに皆に会えて楽しかったし、一人旅も悪くないなって思える瞬間。

てつや「今度は皆で来て。久し振りにコラボしたいし」

りょう「そうやね、全員でやりたい」

としみつ「あ、待ってちゅん」

『ん？』

玄関からリビングへ戻って行ったとしみつに、お土産のお礼だと紙袋を渡されて、中身を確認すると柄シャツだった。

としみつ「着んくなったからやるよ」

『え、マジ？』

としみつ「絶対ちゅんに似合う」

『めっちゃ嬉しい。ありがとう』

虫眼鏡「無駄にちゅん君に好感度上げた所で、」

としみつ「無駄って言うな」

『ははっ、皆心配しなくても爆上がりしてるから』

見えなくなるまで皆に手を振りながら、駅へ向かう。
帰る前にはじめさんの家にお土産を渡しに寄らなきゃいけない。
さっきまで雨が降ってたけど、今は雲の間から太陽が出てきてる。
傘持ってないから雨止んでラッキーだな。

『あ、虹』

ちゃんと七色、ハッキリ見えた。
相変わらず俺の色は無い。

俺の色は無いけど、俺が居なくてもこんなに綺麗に見えるけど、今は早く会いたい。