第14話【silk side】 ページ14
今日の動画を上げ終えて、シャワーを浴びて明日の予定を確認。
そろそろ視聴者さん達もAが居ない事を不審に思ってる。
早く前みたいに戻りたいけど、待つ事しか出来ないんだよな。
はじめくんからの連絡も無い。
勿論Aからの連絡も無い。
ぼーっとTwitterを見てたら、着信が来た。珍しくザカオからだ。
ｻﾞｶｵ「あ、シルクー？」
ｼﾙｸ「もしもし。どうした？」
ｻﾞｶｵ「俺今さー、沖縄に居るんだけど」
ｼﾙｸ「うん」
ｻﾞｶｵ「ちゅんに会ったよ」
は？今あいつ沖縄に居んの？てか何でザカオも沖縄に居んの？
色々気になるけど、話の腰を折らないように、黙ってザカオの話を聞いた。
ｻﾞｶｵ「ちゅん、まだ帰れないって」
ｼﾙｸ「何で？」
ｻﾞｶｵ「分かんない。でもなんか、やばい感じ。病み過ぎ」
ｼﾙｸ「何話した？」
ｻﾞｶｵ「シルク達について行けなくなった？って聞いたら結構図星だった」
ついて行けなくなったって何。
動画が嫌になったって事か？
ｻﾞｶｵ「嫌になったっていうか、迷ってた？ちゅんの中での問題かも」
ｼﾙｸ「あー…なるほど」
何かが吹っ切れて病んでる。そうザカオが言った。
沖縄まで追い掛ける手もありだけど、余計に駄目になっちゃうかもな。
やっぱり待つしか出来ないか。
考え込んでいると、ザカオに呼ばれた。
ｻﾞｶｵ「そのうち帰ってくるよ」
ｼﾙｸ「何で分かんの？」
ｻﾞｶｵ「一緒に飯食べたんだけど、俺の分のお金も置いてったんだよね」
ｼﾙｸ「うん…？」
ｻﾞｶｵ「まだ俺達の事頭にあるよ、Aは」
俺達の事はまだ覚えてる。
ただ、自分を見失ってるだけ。
だからAの帰る場所を空けておいて。
ザカオにそう言われて通話を切られた。
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作者名：憐
| 作成日時：2018年8月18日 1時
