蜃気 ページ2
『おーい、冬紅ー!早くしろよー!』
「待ってよー!早いよ、夏樹!」
今日、この場所に来たのは言うまでもなくあの噂を確かめるため。
幽霊の館と呼ばれる不気味な館に本当に幽霊は居るのか。
それを確かめる為だけに来た。
草は整備されていないために、伸びるに伸びまくり、その草が光を遮りまともに辺りが見えない。
辺りを見回してもそれらしい建物は無い。
『何だよこの霧』
少し驚き気味にオレは口に出す。
今まで出ていなかった霧がいきなり現れ行く手を阻む。
「…もう止めようよ…絶対何か起こるって!」
弱気なソイツにオレは一発殴りを入れる。
ソイツは 痛っ! と声を漏らすと、それ以上は何も言わなくなった。
____ススススッ。
…奥で何かが動く音がする。
どちらかと言うと、結構な早さで何かを引きずっているようにも聞こえる。
__ススススッ…!ススッ…ズルズル…ペチャペチャ…。
どんどん、音が変わる。
最後には何かが滴るような音になった。
「…ネェ…オニイチャン達
…遊ウヨ」
耳元で囁かれたような気がして、背筋が凍った。
いやいや!そんなの有り得ない!
冗談だろ…?と心の中で呟く。
幽霊の館の噂その1…『囁く幽霊』
その物なのだろうか?
「逃げよう…!」
『…っそうするしか無いみたいだな。』
仕方なくオレ達は走って逃げた。
……疲れきって、息を切らして地面に座った。
憑訪ノ森。幽霊が出ると言われる森の中の一部で有った幽霊の館…。
そして、囁く幽霊、その物が直ぐに現れたこと。
一体何なんだったんだろう、とゆっくり上を見た。
___!?
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作者名: x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yarsejruw/
作成日時:2016年8月28日 21時