彼女は女子アナ！

第１２話 ページ12

Side:Takuya


中澤ちゃんを助手席に乗せて、車を走らせる。何気なく横を見ると、取材していたときと違う服装に気づく。



中島｢わざわざ着替えてきたの？｣


｢あ、はい！お風呂入って戻ってきたので…。｣


中島｢あー朝早かったもんね。もしかして今の時間って普段寝てる？｣


｢相当疲れてたら寝ちゃうときもありますけど、だいたい次の日の取材の準備したり、その日の内容まとめてたりすることが多いですかね。｣


中島｢やっぱりアナウンサーは大変だね。｣


｢プロ野球選手の方がよっぽど大変ですよー。私はまだ１年目だからたくさん勉強もしなきゃいけないし、これくらいは当たり前だと思ってます。｣



いつも取材の姿勢を見てて真面目だなって思ってたけど、実際話してみて本当に意識の高い子なんだなと感じた。



いろいろ話しているうちに馴染みのお店に着いた。駐車場に車を止め、個室に通してもらう。



中島｢ごめんね、オシャレなお店じゃなくて。｣


｢いいえ！私こういう雰囲気のお店好きです。変にイタリアン、とか言われても肩凝っちゃうんで。｣



向かい合わせに座って、適当にメニューを頼む。次々と運ばれてくるおかずをパクパクと食べ進める中澤ちゃんに目が釘付けになった。



｢中島選手、どうかしました？｣


中島｢いや、美味しそうに食べるなって思って。お腹すいてた？｣


｢だってすごく美味しいんですもん！あ、もしかしていっぱい食べるコは嫌いですか…？｣


中島｢そんなことないよ。少食ぶるコよりは、中澤ちゃんみたいに美味しそうに食べるコの方が俺は好きだけどね。｣



それからもたわいもない話をしながら、楽しい食事の時間を終える。急に誘って迷惑だったかなと思ったけど、中澤ちゃんの笑顔を見ていたら、そんな気持ちは吹き飛んでいた。

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