彼女は女子アナ！

第１５話 ページ15

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練習の取材が終わり、一度局に戻ろうとすると、別のエリアで取材をしていた谷口さんに呼ばれた。



谷口｢取材お疲れ様。この後なんだけどさ、中澤さん局戻らないでドーム残ってくれる？｣


｢どうしてですか？｣


谷口｢今日の試合中継ウチなんだよ。で、中澤さんにベンチレポートと、あとヒーローインタビューもやってもらうから。｣


｢えっ、私そんなの出来ないです！｣


谷口｢大丈夫だよ、室岡さんも最初下手くそだったから(笑)｣



そのまま谷口さんと一緒に中継の打ち合わせに入る。まさかこんなに早く試合中継の仕事を担当させてもらえるなんて。嬉しいけど、一気に緊張感が増してきた。



試合を裏で見ながらコーチのお話を聞きに行ったり、タイムリーを打った選手の談話を取りに行ったり。ドキドキしていたけど、あっという間にファイターズの勝利で試合が終わった。



準備されるお立ち台の横で待っていると、勝ち投手の有原選手と先制タイムリーの中島選手が呼び込まれた。



｢今日のヒーローは投打のヒーローです。まずは有原投手、ナイスピッチングでした！｣


有原｢ありがとうございます！｣


｢３塁を踏ませない完璧なピッチングでしたね。｣


有原｢野手の皆さんがしっかり守って、早目に援護もくださったので、投げやすかったです。｣


｢その援護点を最初に叩き出した中島選手、ナイスタイムリーでした！｣


中島｢ありがとうございます。｣


｢打席ではどんなことを考えてましたか？｣


中島｢チャンスだったので、とにかく思い切り行こうと。有原が頑張ってたので、打ててよかったです。｣


｢今日のヒーローは有原投手、そして中島選手でした！｣



マイクを持つ手は震えっぱなしだったけど、無事にヒーローインタビューを終えた。お立ち台を下りて緊張が解けると急に力が抜け、気づくとその場から立てなくなっていた。

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