延長戦第７４話 ページ14
Side:You
ちか母｢あんたさっき泣くの我慢してたでしょ？｣
ちか｢え、何で？｣
ちか母｢見てたらわかるよ。あんたホントに瑞輝くんのこと好きね。｣
ちか｢うん、好きだよ。｣
ちか母｢普通親相手にノロケる？(笑)｣
お母さんと交わす何気ない会話。出産が間近に迫っていてナーバスになっている気が紛れる。
数時間後、お腹に若干の痛みを覚えた私。
ちか｢…痛っ…。｣
ちか母｢ん？お腹痛い？｣
ちか｢少しね…まだ予定日より早いし、陣痛じゃないよね？｣
ちか母｢予定日はあくまでも目安だから、早いときもあるよ。｣
そのときはすぐ痛みが引いたので、様子をみることに。ところが、さらに数時間後猛烈な痛みに襲われる。
ちか｢…っ…。｣
ちか母｢ちか、大丈夫？｣
ちか｢お母さん…ムリかも…。｣
ちか母｢ちょっとだけ我慢して。今車呼ぶからね！｣
結局私は予定日より早く病院へ行くことに。波のように痛みが来て、そのたびに気を失いそうになる。
ちか母｢今瑞輝くんにもメールしたから。時間かかると思うけど…お母さん着いてるからね。｣
ちか｢…うん…ありがとう…。｣
そのまま分娩室に入る。今ごろ瑞輝くんは試合中か…。
ちか｢すいません…ＴＶかラジオ入れてもらうことって出来ますか？今主人が試合中で…。｣
看護師｢わかりましたよ。今準備しますね。｣
お母さんに腰をさすってもらいながら、痛みに耐える。でも痛みがなくなる間隔が短くなってきて、呼吸すらしんどい。
医者｢堀さん、ゆっくり呼吸してくださいね？ご主人も頑張ってますから、奥さんも頑張りましょう。｣
想像を絶するほどの痛み。陣痛ってこんなにツライの？瑞輝くんの顔が見たいよ…。
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作者名：fs15nao | 作成日時：2018年11月4日 12時
