ボクの初恋３ (ページ1)

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第４４話ページ1

Side:Mizuki

あれから１週間、ちかさんの足もよくなり、３回目のデートに出かける。今日は映画館。

堀｢ラブストーリーでよかったですか？｣

ちか｢うん、私好きだよ。デートって感じするしね。｣

真ん中より少し前の席に並んで座る。映画館といえばポップコーン、ということで、チョココーティングのを選んで、２人でシェアして食べた。

目まぐるしく変わる展開に、くるくる表情を変えるちかさん。映画を見つつも、そんなちかさんに見入っていた。

２時間ほどの映画もあっという間に終わり、涙を浮かべながらスクリーンを見上げるちかさん。抱き締めたい衝動に駆られる。でも今の僕には手をとるのが精一杯。

手を繋ぎながら映画館を出る。ちかさんは映画の余韻に浸っているみたい。

ちか｢あー泣けた！歳とると涙腺弱くなってダメだね(笑)｣

堀｢そんなことないですよ！僕ラブストーリーって初めて見たんですけど、感動しましたもん。｣

ちか｢恋愛ものはやっぱりいいよね。恋したくなってきちゃった。｣

あ、告白するなら今かも。僕は意を決してちかさんを呼ぶ。

堀｢あのっ、ちかさん！｣

ちか｢ん、なぁに？｣

｢その相手、僕じゃダメですか？｣心の中ではリピート出来るのに、いざ言葉にしようとすると上手く言えない。ちかさんは黙って僕を見上げている。

堀｢ごめんなさい、やっぱりいいです…。｣

ちか｢そう…。｣

一瞬ちかさんが寂しそうな顔をした。これってどういう意味なんだろう…意気地のない自分がホントに情けない。結局その日はそのまま何もなく帰宅した。