Form of Love 【名前変換】 (ページ30)

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■Story.30 ページ30

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「風邪ひくよ。」

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暗い空に手を伸ばしていると、

優しい声がどこからか聞こえた。

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そして、私の真上に傘が現れて、

振り返ると…………

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あ「涼介…………」

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練習着姿でびしょぬれの涼介がいて、

優しく笑っている。

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涼介「…………よかった。」

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ぽつりとつぶやいた涼介が

私の体を抱き締める。

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涼介「もう、勝手にどこかに行かないって

約束して。」

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あ「何で……?」

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私がいるせいで涼介は自由じゃないんでしょ。

だったら、別に私のことなんかに構ってないで……

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涼介「………何でもだよ。

俺、ﾏｼﾞでどうにかなりそうだった。」

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雨に混じる私の涙を涼介の指が掬い上げる。

だけど、それ以上に流れ出る涙が多くて……

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涼介「泣いてもいいけど……

一人になったとか言わないで。

俺が傍にいるだろ、

Aには俺がいる。」

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大雨の中でもはっきり聞こえる涼介の言葉。

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あ「涼介は辛くないの、苦しくないの?

嫌じゃないの?私の傍にいて…………」

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視線をあげると、涼介と目がきっちりあって

胸が苦しくなった。

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涼介「俺は…………

Aの傍にいられない方が

辛いし、苦しいし、嫌だよ。

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だから、お願いだから……

傍にいて。」

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