不良兼暗殺者の女は笑っている (ページ44)

今日:13 hit、昨日:16 hit、合計:38,692 hit

憎めないページ44

「…どうやら、あなたにも話を聞かなきゃいけないようだ」

「聞けないよ、死ぬからね」

既に腕を修復した殺せんせーに向かって

シロさんが左手を挙げる。そこから何かが光った。

「この圧力光線を至近距離で照射すると、
君の細胞はダイラタント挙動を起こし、一瞬全身が硬直する。
全部知っているんだよ。君の弱点は全部ね」

これは殺せんせーと転校生君の闘いだ

外野が手出しするのはずるい

と言いたいとこだが

こいつには通じないだろうな

「死ね、兄さん」

殺せんせーはなんとか脱皮で回避こそはしたが

脱皮はエネルギー消費が激しい

再生も同じくだ

つまりそこからはスピード低下は当たり前

触手の扱いは精神状態に左右されるらしい

そして

特殊な光線を浴びると硬直する

「安心した。兄さん、俺はお前より強い」

「ここまで追い込まれたのは初めてです。
一見愚直な試合形式の暗殺ですが…
実に用意周到に計算されている。
貴方達に聞きたい事は多いですが…
まずは試合に勝たねば喋りそうにないですね」

「まだ勝つ気かい？負けダコの遠吠えだね」

「シロさん。この暗殺方法を計画したのはあなたでしょうが、
１つ計算に入れ忘れている事があります」

「無いね。私の性能計算は完璧だから。殺れ、イトナ」

転校生君の攻撃で床が砕け散った

その代わりに転校生君の触手が失われた

原因は殺せんせーが潮田君から取った対先生ナイフ

向こうが先にずるをしたのだから

対先生ナイフを使っても何も言えない

隙にを見せた転校生君を脱け殻に包む

「同じ触手なら対先生ナイフが効くのも同じ。
触手を失うと動揺するのも同じです。でもね、
先生の方がちょっとだけ老獪です」

外に投げ飛ばされた転校生君

殺せんせーの勝利だ

「先生の勝ちですねぇ。ルールに照らせば君は死刑。
もう２度と先生を殺れませんねぇ。
生き返りたいのならこのクラスで皆と一緒に学びなさい。
性能計算ではそう簡単に測れないもの、それは経験の差です。
君より少しだけ長く生き、少しだけ知識が多い。
先生が先生になったのはね、それを君達に伝えたいからです。
この教室で先生の経験を盗まなければ君は私に勝てませんよ」

こういう時に良いこと言うから憎めないのよこのヒト