愛した彼は、人ではありませんでした。 (ページ49)

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『…食事のこと聞いてもいい？』

「……あぁ。」

『普段は、何を？人間の食事は必要ないの？』

「人間の食事はいらない。あれは身にならないからね。

俺らは動物の血だけを飲むんだけど、これは人で言うベジタリアンみたいなもんで、

腹は満たされても食欲は満たされない、みたいなかんじ。」

その日はテヒョンといろいろな話をして、日が暮れてきたので、帰ることになった。

「明日、家に迎えに行くから。待っててね。」

『…うん』

迎えにきてくれるらしい。

その日の夜、私はベッドに寝転がりながら考えていた。

私たちって、どんな関係なのだろう。

私は、テヒョンと離れたくないと言った。テヒョンは、私を待っていたと言った。

互いに好きだとも、付き合おうとも言ってないけど、明日は迎えに来てくれるという。

でも今日わかったことは3つ。

1つは彼が吸血鬼であること、2つ目は彼は私の血を求めているということ、

そして3つ目は…、私は彼をどうしようもないくらい愛してしまっているということ。