愛した彼は、人ではありませんでした。 (ページ46)

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「……俺が怖い？」

『いいえ。』

「ははっ、…………………本当に？」

悲しそうな眼をしてそういう彼は今にも消えそうに儚かった。

『テヒョンは、怖くない。あなたは、危険じゃない。』

「じゃぁ、基本的なことを聞くんだ。”何を食べるの？”って」

『…っ、怖くないわ。』

「はぁ……、よく言うよ。俺らの本当の姿を見てもそう言える？」

『えっ？』

テヒョンはそう言うと、いきなり私を担ぎ、森の中を走り始める。

…早い。人一人負ぶっていなくても常人にはありえないスピードで森を駆けていく。

やがて山の頂上付近につくと、テヒョンは私を下し、太陽の光が当たるほうへと

歩いて行った。

「…俺らが晴れた日に学校へ行かない理由は、日の光に当たったら、俺らが普通でない

ことがばれるからだ。」

そういって彼は日の光で照らされるように立ち、こっちを向いた。

『……わぁ。』

テヒョンの肌が、光に触れた瞬間、キラキラと、細かいダイヤモンドのように

その身体は光輝いた。

『…綺麗ね。』

ただ思った感想を言っただけなのに、

「…綺麗？この体が？……・人殺しの化け物の肌だよ」

嘲笑するように日陰に入り、私に近づいてくる。

「俺は人殺しだ。」