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食事がおわり、私はテヒョンの車で家に送ってもらう。
車に乗って窓の外を見ていると、
『…あれ、兄さんの車だ。』
帰り道の飲食店に兄さんの車と、ほかにも複数の車が。
もう10時になるのに。なにかあったのだろうか。
「あ、あれ先生の車だ。」
『…先生？』
「あー、……父さん。」
キム先生、か。……ますますおかしい。なにかあったのだろうか。
「行ってみようか」
そういって駐車場へ車をとめる。
車から降りると、店の中から兄さんとキム先生がでてきた。
「…先生、なにがあったの」
「テヒョン……、動物だよ。」
「っっ、…どこにいった？」
「わからない…。追おうとしているところだ。……A、お兄さんは中にいる。
…友人が亡くなったんだ。そばにいてあげてくれ。」
『…わかった。』
暗い店内に入ると、兄さんが椅子に座って頭を抱えていた。
ゆっくりと隣に近づくと、兄さんはぽつりぽつりと話し始めた。
「…覚えているか？Aが小さいとき一緒に遊んだこと。もう15年は前か…。
俺は警察の人間だから、隣町で似たような事件があったことも知っていた。
なのに、あまり注意喚起をしてこなかったんだ。……なんでこいつが、こんな目に
あわなきゃいけないんだ…」
『前にもあったの？』
「あぁ。かみ殺されたような死体が隣町ででたんだ。猛獣のしわざだろう、って。
……Aも気を付けるんだよ。もう誰も失いたくない…。家に帰ったら防犯用の
スプレー渡すから、四六時中身に着けてるんだよ？わかった？」
『…うん。わかったよ。』
いまだ項垂れている兄さんを担ぎ、一緒に店をでる。
テヒョンとキム先生は話がおわったようだ。
『…ここまでありがとう。じゃあ、また学校で。テヒョンも気を付けてね。』
「…あぁ。じゃあまた。」
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作者名：ねこのひげ | 作成日時：2018年10月7日 2時
