愛した彼は、人ではありませんでした。 (ページ36)

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それから何日もしないうちに、西面に行く機会ができた。

ある日の昼食、

「ねぇミナ、プロム誰と行くか決まった？」

「あ！そうそう、そういえばね！…私、ジスに一緒に行かないかって誘われたの！」

「そうなんだ！へぇー、よかったじゃなーい！」

にやにやしながらミナをつつくサナ。

「そういうサナは？……誘ってみたの？」

ああ、そういえば海で言ってたわね。

「それがね……、OKだってーーー！！」

「わー！よかったじゃなーい！！」

『頑張ったねー！よかった！』

「そう、それじゃぁ、……ドレスがいるわね、私たち。」

ドレスかぁ。二人とも美人だからなんでも似合うんだろうな…。

綺麗系とかわいい系でジャンルは違うけど、二人ともかなりの美人だ。

「じゃあさ、西面に見に行かない？」

「いいね！じゃあ今週末とか！」

「おっけ！」

……西面？…………………あ。

『ねぇ、それ私もついてっていい？』

「ん？おー！一緒に行こ！」

「うん、そんでドレス選ぶの手伝って！」

二人についてって、ついでにあの本も探してこよう。