愛した彼は、人ではありませんでした。 (ページ30)

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数日後、学校の廊下を歩いていると、「A。」

『……なに、テヒョン。』

自分からあまり知り合わないほうがいいって言ったくせに…

そんな気持ちをこめて軽くにらみながら返事をした。

「…そんな顔で見ないでよ。…あのときは悪かった。

やっぱり無理だ。Aと離れたくない。」

困ったように笑いながら彼はそう言った。

『…わかった。もう理由はきかない。どうせ教えてくれないんでしょ。』

「……っ、なにもないよ。」

そうやってまたはぐらかすんだ。

でも、もういい。そこまで言えないんだったらあなたには聞かない。

『わかったから。これからも仲良くしてくれるんでしょ？』

「俺がそうしたいんだ。」

…彼はなかなかストレートにものをいうらしい。

そんなことがあった同じ週、いつものように女子3人で昼食をとっていると、

「よっ、君たち。広安里へ行かないかい？(釜山にある海岸です)」

『広安里？』

「海よ、海。なにハニ。筋肉ついた？」

「それは……、いいんだ。出さないから。」

「えー、どうする？ミナ。」

「A行ったことないよね、一緒に行こ？」

『だいぶ昔に行ったことある…と思う。』

「みんなで行こっか！」

サナの一言でミナ・サナ・ハニ・ジス、そして私といつものメンツで行くことになった。