愛した彼は、人ではありませんでした。 (ページ29)

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「見て、A、蝶々だよー。ほら、ハニもー！」

「うわ、俺虫だめなんだって、……わぁジスこっちくんな！」

「えー？きれいじゃん。ねー？」

にやりと悪い笑みを浮かべて追っかけるジスと、逃げるハニ。

そんな二人を見ながらバスの方へ戻ろうとすると、

「俺らさ、友達にならないほうがいいと思う。」

テヒョンが唐突にそんなことをいう。

『……どういうこと？』

「互いにあまり知り合わない方がいいと思う」

『…そう、テヒョンはそう思うのね。私に何も知らせないように。』

「……互いの安全のためなんだ。」

『どういうこ…「あ、テヒョン！…お友達？」…。』

ピルスクさんがジョングクさんと歩いてきた。

「いや、関係ない人だ。」

『…』

「…そう？じゃあ同じバス？」

「違う。」

テヒョンはそう言ってバスに乗り込んでしまった。

『……？』

私はどうすればいいのか。安全のため？何を言ってるの？

疑問といらだちでもやもやしながらその日は終わった。