愛した彼は、人ではありませんでした。 (ページ28)

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『そうだジス。ミナ誘ってみたらどう？』

「…ミナ？」

『うん。喜ぶと思う。』

「ふーん…そっか。」

『私の分もみんなで楽しんできてよ、ね？』

そういうと、ジスは「来年はみんなでなー」と言いながらミナのほうへ歩いて行った。

そのあとはまた先生のあとについて見学をしていると、

「…A、ソウルに行くの？」

……キムテヒョン。

『…聞いてたの？』

「…俺が質問したんだよ。」

『……挨拶もなしに唐突に話しかけてきたのに？』

「…おはよう。」

『母さんに会いに行くだけよ。…それより、』

「…なに？」

『まだあのときの理由は教えてくれないの？』

「……！調べたんだ、いざというときにアドレナリンが大量にでて、

すごい力が出たらしい。火事場の馬鹿力ってやつだよ。」

『…まじめに答えてくれる気はないのね』

「大まじめだ。俺は君が心配だっただけ。」

『どうぞおかまいなく』

アドレナリンぐらいで車が素手で止められるもんですか。

素直に教えてくれないならもういい。そう思って早歩きで離れようとすると、

ずるっ、

『…ぅわっ』

がしっ

「…ほら、君は危なっかしいんだ。」

二の腕をつかんで支えられる。

『…わかったってば、』

そのまま見学をしていると、どうやら自由時間になったらしい。