愛した彼は、人ではありませんでした。 (ページ27)

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事故からしばらくたったある日の生物の講義。

今日は校外学習だということで、植物園の見学にきている。

「はい、これが生ごみを発酵してつくられた肥料だぞー。よく見ておけー。」

先生はうきうきしてるらしいけど、生徒けっこう引いてるよ…。

そのあとも一人でふらっと歩いていると、

「A、」

『…ジス。』

「どう？そろそろ学校は慣れた？」

『…うん、おかげさまで(笑)』

「そう！それはよかった！……じゃなくて、」

『…なに？』

「プロムがあるんだよ、うちの学校。」

『…プロム。……あー、ダンスね。』

「…！そう。そう、そうなんだけど、…あー、それでね、」

『…？(笑)、何？』

「そのー、プロムに、……俺と一緒に行かない？」

あー。プロムってそういうかんじだったっけか。

『あー、……確かその日は、母さんに会いに来いって言われてる日で…』

「…行けない？」

『ソウルに少し用事が…』

「その日じゃなきゃ…だめ？」

『向こうの予定が合う日が難しいのよね…』

「そっか。…。」

ふと視線を逸らすとちらちらとこっちを伺うミナ。

そういえば転校初日もジスとしゃべってたら来たな。