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事務室へ入ろうとすると、先客がいた。
「…物理か化学に移れませんか。」
「残念ながら、両方いっぱいで空きがないのよ。だから生物のままでお願い?」
「……はぁ。わかった、耐えるしかない。」
いらだったように振り向きざまにそういった彼は、……キムテヒョンだった。
一瞬目が合ったかと思うとすぐに逸らされ、彼は事務室をでていった。
なによ。そこまで嫌だ?…話したこともないのに。けっこうショックだ。
どちらにせよ今の会話で私も移れそうにないと悟ったので、あきらめて引き返した。
その日からしばらく、キム家の兄妹を見ることはなかった。
不思議に思いながら昼食を食べていると、
「キム家のお父さんがね、こうやって天気がいい日が続くと、子供たちをキャンプに
連れていくらしいの。家族仲がいいのよね、あの家。」
「ほんと羨ましい。」
ミナとサナが「「私たちも行きたいよねー」」と言っている。
そうか。だから最近見てないのか。……単位は大丈夫なのだろうか。
来ない理由がわかってすっきりしたが、やはりキムテヒョンに嫌われているのではないかと
いうもやもやは残った。
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作者名:ねこのひげ | 作成日時:2018年10月7日 2時