愛した彼は、人ではありませんでした。 (ページ11)

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灰色がかったミルクティー色でゆるいウェーブのかかった髪、

色白の肌に美しい横顔。

すらっとした手足に細い腰。

こんなに美しい人間がいるのか。

思わず彼を見つめていると、横でミナとサナが苦笑していた。

「…あー、彼はテヒョン。すごい綺麗な顔してるけど、どうも女に興味がないらしいの。

その証拠にほかの兄妹は男女ペアだけど、彼はいつも一人よ。」

「今までいろんな女子が彼に近づこうとしたけど…、まともに相手すらしてもらえないわ。」

…なるほど。今までいろんな女子たちが玉砕していったのか。

もう一度彼を見ると、少し離れた席に座っていた。兄妹たちとは口数は少ないが話していて、

それだけを見ると柔らかい雰囲気に見える。

キム家の集まるテーブルだけ、なにかの映画の撮影かと思うほどの美形揃い。

生徒たちは慣れているのか、彼らが席に着くと先ほどのような騒がしさを取り戻した。