第27話 ページ28
「お待たせお待たせ...はい、どうぞ。」
私が座って少しすると凜のお父さんも向かい側に座り、続いて凜のお母さんがお盆を持って座った。
凜のお母さんは座ると、3人分の水ようかんを机に置いていった。
「あ...ありがとうございますわざわざ。」
私がぺこりと頭を下げて言うと、凜のお母さんはお盆を自分の側に置きながら言った。
「いいのよ。水ようかん大丈夫だった?口に合わなかったら無理しないでね。」
私は大丈夫です、と言って、再び顔を上げた。
目の前には、凜のお父さんとお母さんが並んでいる。
その光景を目の当たりにし、不思議と背筋が伸びた。
私が体にぐっと力を入れると、凜のお父さんは優しい笑顔のまま言葉を発した。
「さて...話に移ろうか。今日は何の用事で来たんだい?」
初っ端から、第1関門。
どう話を切り出そうか。
とりあえず、学校で見つけたものの話をしようか...。
ゴクリと唾を飲み込んでから、私は口を開けた。
「先日、学校で凜のいた場所を調べてみたんです。なにか手がかりがないかって思って。そうしたら、いくつか気になる点が出てきて、それを聞きに参りました。」
私がそう言うと、凜のお母さんは笑顔を崩さないまま私に言った。
「なるほどね。どんな質問も出来る限り全て答えるつもりよ。」
不意にかけられた、凜が育った笑顔に安心する。
私は少し体の力を抜いて、2人の顔を見つめる。
「では、まず...。凜は、心理カウンセラーを目指していたのでしょうか。彼女は理系で理学部志望のはずです。そんな話は私は聞いたことがなかったのですが、本当は心理カウンセラーが夢だったのですか?」
私がそう言うと、最初に出された話題が意外だったのか、2人は一瞬ポカンとした顔をした。
そして彼らは見つめ合うと、お互いに首を傾げ、そのまま凜のお母さんが言った。
「いや...そんな話は聞いていないわ。凜は化学が得意だったから、そっちの道に進むんだって三者面談でも家でも言ってたし...文転するなんて話も聞いたことがないわ。」
「僕も知らないなその話は。理学部志望は本気だったと思うんだけど...。」
続けて凜のお父さんもそう言った。
やはり凜は理学部志望で間違いない。
進路のことで両親に嘘をつくことなんてしないだろうし、もし万が一あったとしても、理系だと偽る必要は無い。
だから、心理カウンセラーを目指していた訳では無い。
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fruit(プロフ) - 鳥の子さん» うわぁぁぁぁ嬉しいお言葉ありがとうございます!!そして読みに来てくださってありがとうございました!!自分の作品をこんなに好きって言って貰えるとすごい嬉しいのですね...いますごくテンション上がってます笑コメントもしてくださってありがとうございました!! (2020年1月26日 0時) (
レス) id: dc8b637267 (このIDを非表示/違反報告)
鳥の子(プロフ) - 一通り読んで参りました……!好き……。余りにもLOVE過ぎて……。もう説明文の所から夢主ちゃんの覚悟が伝わってきて、けれど最終的には後悔してしまうのだろうな(覚悟ほしていたけれど)とか思っちゃうとLOVE……。更新頑張られてください!! (2020年1月18日 17時) (レス) id: fababa1230 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 凛奈さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!!凛奈様のような読者様がいらっしゃるので頑張れるわたくしです。これからもどうぞよろしくお願い致します!! (2019年5月28日 17時) (レス) id: 479b2f8b1f (このIDを非表示/違反報告)
凛奈(プロフ) - 更新楽しみにしてます！すんごい面白いし、好きです！！ (2019年5月28日 6時) (レス) id: 225bb681ca (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 花風雪 サブありさん» うわぁぁ嬉しいコメント!!!読んでくださって本当にありがとうございます!!!今はテスト前で少し更新をお休みしていますが、来週からまた再開します!まだまだ続きますよ〜!?これからもよろしくお願いいたします!!! (2019年5月26日 7時) (レス) id: 479b2f8b1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fruit | 作成日時：2019年3月4日 22時
