第292話 ページ8
リベラside
私はラサゴベアを睨みつけたまま続けた。
リベラ「彼がここにとどまる理由があるはずなの。私はその理由が何なのかを聞いてるの。」
ラサゴベアは不自然に口角を上げたまま、何も言わない。
私は続けた。
リベラ「私はどうせ一生ここで生きていくんでしょ?私自身当然口外はしないし、国外に漏れることもないじゃない。それともなに。私に言いたくないの?。」
直感が、そう告げた。
この問題は私に関係しているのだと。
だからサカエさんもラサゴベアも口を割らないのだと。
依然口を開かないラサゴベア。
私は少し小さな声で聞いた。
リベラ「...何を言っても言わないつもり?」
するとラサゴベアは椅子から立ち上がった。
ラサ「言わなくていいのであれば、言いたくありませんね。少なからず私とサカエの間には信頼関係があるので。」
私は意味もなく部屋を歩き回るラサゴベアを目で追いながら言った。
リベラ「誰にも言わないつもりよ。興味本位だし。ただ、教えてくれないのなら、問い質すだけ。」
ラサゴベアの姿を目で追っていると、だんだんと私に近づいてきた。
私は咄嗟に顔を下に向けた。
すると案の定、靴音が目の前で止まった。
ラサ「そんなに知りたいのなら、お教えしましょうか?」
リベラ「っ!!」
思わず顔を上げてしまった。
ラサゴベアは思っていたより近くにおり、心を読まれそうなほど距離で、少し怖かった。
私はラサゴベアから目を逸らす。
ラサ「ただ、私が教えたってこと、絶対サカエに言わないでくださいね。どんな反撃が待っているかわからないので。」
リベラ「もちろんよ。」
目を逸らしたまま、はっきりとそう答えた。
するとラサゴベアは、ゆっくりと口を開いて結論から言った。
ラサ「サカエは、地球に魔力を取り込もうとしているのですよ。」
リベラ「えっ...」
魔力を
地球に?
なんで...
ラサ「今地球がとても不安定な状況にあるらしいのです。国内がまとまらず、国同士が協力せず、いつ争いが起きてもおかしくないと。当然、世界を破滅させたあの世界大戦はもう何百年も昔ですから、もう一度世界大戦が起きても不思議ではないんです。もし今4度目の世界大戦が起きてしまえば、今度破滅させるのは地球だけでは済まされない。この危機的状況を案じたサカエは、あの話を思い出したんです。この星にある魔力をもってすれば、地球をまとめられるのではないかと。」
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fruit(プロフ) - neruさん» こんな古くて長すぎる作品を読んでくださって、本当にありがとうございます!!番外編の件、リクエストすごくすごく嬉しいです!!もちろんお受け致します!逐一公開しようと思いますのでお気に入り登録等で通知を受け取ってくださると嬉しいです。しばしお待ちください! (2021年6月30日 14時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
neru - 凄く面白かったです!もしできたら続編・・・というより番外編を作っていただけないでしょうか?夢主が帰ってきた後と結婚した後で時間が空いているのでその間どんな感じだったのか知りたいです! (2021年6月30日 6時) (レス) id: be91a01192 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 葵 林檎さん» 素敵なコメントありがとうございます!!時間はかかっていますが少しずつ直している最中です。言い回しが変わったりバッサリカットしたりしているのでぜひ何度でも見返してみてください!ありがとうございました! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
葵 林檎 - このお話、とても好きだなああぁ、と心の底の根っこから思います! 私はファンタジーがめちゃ大好きなので、もう、何度も読み返します!! 素敵なお話を作っていただきありがとうございます…! (2021年2月16日 21時) (レス) id: 2561b1222b (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 愛流鈴さん» お返事大変遅くなり申し訳ありません...!このコメントを拝読して、すごくテンションが上がっております!私自身、あまり自信がなくて作品削除も考えていたのですが、コメントを読んで、この作品は残しておこうと思うことができました。本当にありがとうございました!! (2020年9月17日 12時) (レス) id: 332baaf975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fruit | 作成日時:2018年7月1日 7時