第323話 ページ39
リベラside
部屋に着くと、私は一瞬で気配を消した。
兵士たちとアルジャーノンが連絡を取れないということは、私が魔力を取り戻したのも知らないはずだ。
今なら、何も戦わずに引き返してもらえる。
私はすぐにクローゼットを開け、ドレスを探す。
リベラ「...あった」
いつものところに、いつものドレスがあった。
私はそれをベッドの上に置いて着替え始めようとした
瞬間
「え...?」
誰かが声を出した。
とっさに声が聞こえた方に目を向けると...
そこには私の部屋を掃除しに来たルナナがいた。
ルナナ「リベラ様っ...」
私はシッと、指を唇に当てる。
リベラ「話はあと。今は安全なところに」
ドンドンドンドンッ
避難して、と言うと同時に、激しくドアが叩かれる音がした。
これは...キーピングの兵士たち...!
私は急いでドレスに着替えた。
リベラ「ルナナ!!みんなを集めて広間に逃げて!!出来るだけ大勢で固まるのよ!!」
ルナナ「は...はいっ...」
困惑して少し硬直しているルナナ。
大丈夫、必ず助けるから、と言いながら私は廊下に飛び出た。
しばらくすると、ドアが叩かれる音がやんだ。
キリトが対応しているのだろう。
私は急いで廊下を走り抜けていた...
その時。
同じく玄関に向かうミオの後ろ姿を見つけた。
リベラ「...ミオっ!!」
私がそう叫ぶと、ミオは体をビクッとさせて勢いよくこっちに振りかえった。
ミオ「え!?リベラ!?どうしてここに」
リベラ「話はあと!!とりあえずみんなを広間に集めてミオが守って!!」
ミオの頭の中は疑問でいっぱいだった。
ミオ「そうは言っても...」
リベラ「早く!!」
私の言い方でただ事でないことを感じ取ってくれたのだろう。
彼は無理やり納得したような顔で頷き
すぐに玄関と反対方向に走っていった。
リベラ「頼んだよ...ミオ...」
私はそう呟きながら、再び玄関に向かって走り出した。
少しずつ玄関に近づくにつれて、声が聞こえてくる。
「非公開王女を出せ!」
「女王直々の命令だ!」
やっぱり...キーピングの使いか...
私は手前で立ち止まり、息を整えた。
そして、何食わぬ顔でゆっくり歩きながら玄関に向かった。
キリト「今王女は体調を悪くして寝込んでいらっしゃいます。日を改めてください。」
キリトが説得する声が聞こえる。
ありがとう...キリト...
私は大きく息を吸って言った。
リベラ「なんの用?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fruit(プロフ) - neruさん» こんな古くて長すぎる作品を読んでくださって、本当にありがとうございます!!番外編の件、リクエストすごくすごく嬉しいです!!もちろんお受け致します!逐一公開しようと思いますのでお気に入り登録等で通知を受け取ってくださると嬉しいです。しばしお待ちください! (2021年6月30日 14時) (
レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
neru - 凄く面白かったです！もしできたら続編・・・というより番外編を作っていただけないでしょうか？夢主が帰ってきた後と結婚した後で時間が空いているのでその間どんな感じだったのか知りたいです！ (2021年6月30日 6時) (レス) id: be91a01192 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 葵 林檎さん» 素敵なコメントありがとうございます!!時間はかかっていますが少しずつ直している最中です。言い回しが変わったりバッサリカットしたりしているのでぜひ何度でも見返してみてください!ありがとうございました! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
葵 林檎 - このお話、とても好きだなああぁ、と心の底の根っこから思います！ 私はファンタジーがめちゃ大好きなので、もう、何度も読み返します！！ 素敵なお話を作っていただきありがとうございます…！ (2021年2月16日 21時) (レス) id: 2561b1222b (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 愛流鈴さん» お返事大変遅くなり申し訳ありません...!このコメントを拝読して、すごくテンションが上がっております！私自身、あまり自信がなくて作品削除も考えていたのですが、コメントを読んで、この作品は残しておこうと思うことができました。本当にありがとうございました!! (2020年9月17日 12時) (レス) id: 332baaf975 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fruit | 作成日時：2018年7月1日 7時
