第306話 ページ22
リベラside
私は咄嗟に顔を歪ませる。
リベラ「話したいこと?」
ラサ「ええ。時間があるのなら。」
そう言われても、思い当たりがない。
一体なんの話なのか...。
リベラ「話題によるわね。何の話?」
ラサゴベアの背中から手を離してそう聞いた。
すると、彼はこっちに振り向いて言った。
ラサ「炎の力をファナッカに組み込む話ですよ。そろそろ実行してもいいかと思いましてね。」
リベラ「っ...!」
私は目を見開いた。
そっか
もし私が地球に幽閉されたら、他国には極秘で炎の力をファナッカに組み込むのを実行するだろう。
私が地球に行く前に、話しておきたいということか...。
リベラ「何を、話したいの。具体的に。」
私は小さな声で聞いた。
ラサゴベアはその声を拾って、そうですね...と言った。
ラサ「今のあなたの状況把握と、炎を組み込むプロセスの計画ですかね。」
彼の言葉を聞いて、ぐっと体に力が入った。
ラサゴベアの中では、完全に私は幽閉されることになっている。
私が反抗するなんて、ちっとも思ってやしない。
そもそも、私が幽閉されることを知っていることにも気づいていない。
だから今まで特に怪しまれずに、魔力の練習が出来たし、気配が突然膨大しても、偶然の一言で乗り切ることが出来た。
今までラサゴベアの目を掻い潜ってきたのに、ここでバレたらおしまいだ。
警戒してることを、悟られてはならない...
リベラ「わかった。そんなに話したいなら話しましょう。ただし、マイノにバレたら本当にめんどくさいから、手っ取り早くね。」
私がラサゴベアの目をしっかりと捉えてそうはっきり伝えると、彼は満足そうな顔をしてベッドに腰掛けた。
ラサ「では、素早く終わらせましょう。リベラもどうぞ。」
そう言ってラサゴベアは空いている椅子を指さす。
私に座れと言っているのか。
そもそもここは私の部屋なんだけどな...。
そう思ったが口には出さず、黙って座った。
私が座ったのを確認すると、ラサゴベアは早速口を開いた。
ラサ「単刀直入に聞きましょう。今のあなたの魔力はどうなんですか。」
ここで突然警戒度MAXの質問がきて、戸惑ってしまった。
私は一瞬で驚いた顔を引っ込ませ、平然を装って言った。
リベラ「どうもなにも、私には何もわからないわ。たまに来るあのこみ上げてくる気配も、何が原因かわからないし、どうすればいいのかもわからない。ここに来た時から魔力に関して進歩はないわ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fruit(プロフ) - neruさん» こんな古くて長すぎる作品を読んでくださって、本当にありがとうございます!!番外編の件、リクエストすごくすごく嬉しいです!!もちろんお受け致します!逐一公開しようと思いますのでお気に入り登録等で通知を受け取ってくださると嬉しいです。しばしお待ちください! (2021年6月30日 14時) (
レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
neru - 凄く面白かったです！もしできたら続編・・・というより番外編を作っていただけないでしょうか？夢主が帰ってきた後と結婚した後で時間が空いているのでその間どんな感じだったのか知りたいです！ (2021年6月30日 6時) (レス) id: be91a01192 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 葵 林檎さん» 素敵なコメントありがとうございます!!時間はかかっていますが少しずつ直している最中です。言い回しが変わったりバッサリカットしたりしているのでぜひ何度でも見返してみてください!ありがとうございました! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
葵 林檎 - このお話、とても好きだなああぁ、と心の底の根っこから思います！ 私はファンタジーがめちゃ大好きなので、もう、何度も読み返します！！ 素敵なお話を作っていただきありがとうございます…！ (2021年2月16日 21時) (レス) id: 2561b1222b (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 愛流鈴さん» お返事大変遅くなり申し訳ありません...!このコメントを拝読して、すごくテンションが上がっております！私自身、あまり自信がなくて作品削除も考えていたのですが、コメントを読んで、この作品は残しておこうと思うことができました。本当にありがとうございました!! (2020年9月17日 12時) (レス) id: 332baaf975 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fruit | 作成日時：2018年7月1日 7時
