愛を知らない王女が、愛を学ぶ物語【7】

第321話 ページ37

リベラside


ラサ「ミークが...。気づきませんでした。」


私は走って会場に向かう。

...ったくなんでこんな奥にあるのよ!!

全速力で走りながらも、耳は会場内の音に集中させていた。


アル「彼の報告によると、どうもファナッカは1ヶ月ほど前に」


すぐに、もうひとつのドアがあった。

そこには、SPがいない。

このドアの向こう側は大会議場...!!



アル「アリオンの非公開王女を手に入れているようだな。」

リベラ「っ...!!!」

私は一気に気配を露わにし、ドアを開け放った。


バンッッッ



すると目の前には

多くの国王と

立ち上がってラサゴベアの方に手のひらを向けているアルジャーノンがいた。

リベラ「っ危ない...!」



私がラサゴベアの元に走り出すやいなや

アルジャーノンはラサゴベアに向けて魔力を放出した。

リベラ「ラサゴベア!!」

私はラサゴベアの前に立つと



リベラ「っ..」

すぐにバリアを張った。








そしてそのバリアは

一面を覆うような多くの煙を出しながら

アルジャーノンの魔力をすべて吸収した...。



ドンッッッッッッッ


アル「!?」

ラサ「え...?」


2人とも驚きを隠せないようで

しばらく私を認識するのに時間がかかっていた。



私は目の前に広がっていた煙が晴れると

ラサゴベアの前にあったマイクを取って言った。



リベラ「私がアリナレオンバートの非公開王女、アリナレ・リベラよ。」


ラサ「リベラ...!?」



会場内が、騒然とする。

私は持っている気配を少しも隠さなかった。

あまりにも強い気配が、炎の完全復活を物語っている。

それはここにいる国王たち全員が感じ取っていて

恐怖に怯える国王もいた。



アル「アリナレ・リベラ...。お前はファナッカのヴァレットとして働いていたな?」

私は動揺を必死で隠すアルジャーノンの方を見て言った。

リベラ「ええ。その通り。ミークにもたくさんお世話になったけど、まさかスパイとはね。」

ラサ「リベラ...?」


今度は、驚きすぎて私の名前しか呼べないラサゴベアの方を向いた。

リベラ「ラサゴベア...。私はファナッカに協力するためではなく、裏のclockを潰すためにファナッカに来たの。魔力も完全に復活させた。だから...もうアリオンを破滅させるなんて計画、中止して。私は地球に行く気なんてさらさらないわ。」


私がそう言うと、ラサゴベアはさらに目を見開かせた。

ラサ「全て...知ってるんですね。」

リベラ「ええ。」

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