第313話 ページ29
リベラside
泣きすぎて、うん、としか答えられない私に、キリトは続けた。
キリト「リベラ様。最後に、聞いてほしいお話があるのですが、聞いて頂けますか...?」
聞いてほしい話...?
少し意外な話題が出され、私は涙を止められた。
キリトに好きだと言うのは...そのあとでもいいかな。
私は、もちろん聞くわ、と返した。
すると、キリトはありがとうございます、と言って続けた。
キリト「今から話すことは決して冗談ではありません。笑ってもいいですが、本気で聞いてくださいね。」
リベラ「うん...。」
一体何の話なのか。
一見冗談のような話...?
私は、キリトの話の続きを待つ。
キリトは、深呼吸をしてから話し始めた。
キリト「幼い頃から、私はリベラ様に仕えてきました。生意気であったであろう私を、リベラ様は呆れもせず受け入れてくださいました。お互い成長してからも、リベラ様は私たち使用人のことをとても大切にしてくださいました。本当に、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。リベラ様。ありがとうございました。」
そこで、キリトの話は一旦途切れた。
リベラ「え...うん。こちらこそ、ありがとう。」
全然冗談に聞こえる話ではなく
素っ気ない返事をしてしまった。
すると、キリトは再び話し始めた。
キリト「本題はここからです。私は、1執事として、リベラ様を大切に守ってまいりました。ほんとうに、私にとってリベラ様はいつも1番でした。しかし...」
え?
しかし...?
思わぬ言葉が出てきて、相槌も打てなかった。
しばらく黙り込んでいると、キリトはまた続けた。
キリト「私は、あってはならないことを、してしまったのです。執事として、失格なことを。」
リベラ「えっ...」
キリトが
そんなことを?
いつのまに
どうして
あんなに完璧なキリトが
何をしたの...?
なかなか話し出さないキリトに、私は声をかけた。
リベラ「キリト...?執事として失格って、一体何をしたの...」
私がそう言うと、キリトは彼らしくなく、ゆっくりと、小さな声で言った。
キリト「リベラ様。あなたに二度と会えないのはとても辛いです。執事として、そして...1人の人間として。」
不可解な言葉が並ぶ。
私は何も言わなかった。
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キリト「リベラ様。私は、1人の女性として
あなたを愛しています。」
8人がお気に入り
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fruit(プロフ) - neruさん» こんな古くて長すぎる作品を読んでくださって、本当にありがとうございます!!番外編の件、リクエストすごくすごく嬉しいです!!もちろんお受け致します!逐一公開しようと思いますのでお気に入り登録等で通知を受け取ってくださると嬉しいです。しばしお待ちください! (2021年6月30日 14時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
neru - 凄く面白かったです!もしできたら続編・・・というより番外編を作っていただけないでしょうか?夢主が帰ってきた後と結婚した後で時間が空いているのでその間どんな感じだったのか知りたいです! (2021年6月30日 6時) (レス) id: be91a01192 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 葵 林檎さん» 素敵なコメントありがとうございます!!時間はかかっていますが少しずつ直している最中です。言い回しが変わったりバッサリカットしたりしているのでぜひ何度でも見返してみてください!ありがとうございました! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
葵 林檎 - このお話、とても好きだなああぁ、と心の底の根っこから思います! 私はファンタジーがめちゃ大好きなので、もう、何度も読み返します!! 素敵なお話を作っていただきありがとうございます…! (2021年2月16日 21時) (レス) id: 2561b1222b (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 愛流鈴さん» お返事大変遅くなり申し訳ありません...!このコメントを拝読して、すごくテンションが上がっております!私自身、あまり自信がなくて作品削除も考えていたのですが、コメントを読んで、この作品は残しておこうと思うことができました。本当にありがとうございました!! (2020年9月17日 12時) (レス) id: 332baaf975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fruit | 作成日時:2018年7月1日 7時