第246話 ページ10
リベラside
リニャーノが、本気で私のことを考えて言ってくれている。
そんなこと重々承知だ。
わかってる。
わかってるけど...
リベラ「...。」
私が依然黙っていると、リニャーノはぽつりと呟いた。
ユラス「怖いか。」
私は何も言わずにコクリと頷く。
魔力となると、どうしてもあの事件が蘇る。
母様、父様をこの世から消した忌々しい魔力。
現にこの前はラサゴベアを傷つけてしまった。
あのときレナが助けてくれなかったら...
考えただけで恐ろしい。
私の顔がどんどん歪んでいく。
ユラス「では...これから毎日、ここに抜け出して魔力の訓練をするというのはどうか?」
え...?
リベラ「どういうこと...」
ユラス「だから、これから毎日、私がファナッカのバルコニーまでお前を迎えに行き、ここまで抜け出し、魔力の訓練をするんだ。自在に扱えるようになるまでな。ここならば傷つけるものもなかろう。」
口角を上げるリニャーノと反対に、私はさらに顔を歪める。
リベラ「毎日...?」
そう言うと、リニャーノはフッと笑った。
ユラス「毎日は言い過ぎかもしれないな。毎日迎えに行けるわけではない。だから、できる限り毎日、と言った方が正しいか。」
納得したような顔で説明された。
到底私はこんなので納得するわけない。
リベラ「いやいやいや、無理でしょ。」
ほぼ毎日リニャーノが迎えに来るなんて、そんなことさせられないし。
あまりの爆弾発言に笑けてきた。
無理無理、と笑っていると、リニャーノは尋ねた。
ユラス「リベラ...。無理、というのは、お前の体力的にか?それとも、私が迎えに来ることか?ちなみに私のことを心配する必要はないぞ。というか、私のことを心配する暇などないぞ。」
私はリニャーノに見つめられる。
リベラ「えっ...」
そう言われてハッとした。
確かに、ほぼ毎日リニャーノがファナッカに来るなんてことは、リスクが高すぎる。
それに加えて毎夜抜け出すなんて、尚更危険だ。
でも、私がアリオンを救うには相当なリスクを抱えなきゃいけない。
いずれ、危険な目に合うのは確実だ。
ここで危険だの危ないだので逃げている時間はない...。
リニャーノが手を貸そうとしてくれている今、その手を振り払うような暇が私にあるのか?
そんな選択肢、私に残されているのか...?
いや
ない。
これを受け入れる以外に
私に出来ることはない...!!
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時雨 - fruitさん» レス、ありがとうございます。完結するのを気長に待っていますので焦らず自分のペースで頑張ってください! (2018年3月18日 12時) (レス) id: cfbfe7e2cd (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 時雨さん» うわぁぁぁぁぁありがとうございます!!!とっても嬉しいです!!!最近はpart1の方を書き直していて...あまり更新できていませんが、必ず完結させるので、どうか応援よろしくお願いします!! (2018年3月18日 7時) (レス) id: 11b9204b96 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 物語構成やキャラクターの設定がとてもしっかりしていて読み易いです!ファンタジーのオリジナルで200話以上いくのは凄いと思います。自信を持ってください!応援してます(`・ω・)ь (2018年3月17日 21時) (レス) id: cfbfe7e2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fruit | 作成日時:2018年2月10日 1時