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第275話 ページ39

リベラside

震える体を必死に押さえつける。

仕事...仕事しなきゃ…

はやく...仕事に行かなきゃ...


無理やり立とうとしても、足に力が入らない。

どうしよう...

あと一週間...





間に合わない

間に合わない

間に合わない

間に合わない

間に合わない




私はあと一週間で




ほぼ死と変わらない処遇を受ける...




ガチャ

突然、部屋のドアが開いて、靴音が近づいてきた。

その人物は、座り込む私に気づくと...



「っリベラ!?大丈夫...」

と、言いながら慌てて近づき


私の肩を抱えた。


リベラ「...すいません...ミーク...」

私の言葉を聞くと、ミークは頭をぶんぶんと横に振った。

ミーク「そんなのはどうだっていいの。どうしたの顔真っ青にして。昨日しっかり休めなかったの?」

...何も答えられない。

至って体調は万全だ。

リベラ「っ...」



でも

でも


clock総会が...

ミーク「っリベラ!」

彼が必死に私の体を抱える。

突然また体が震えて、全体重をミークになだれかけてしまった。

リベラ「す...すいません...」

眉間にしわがよる私の顔を見たミークは、私を抱えながら近くにあった椅子を引き、ゆっくりと私を座らせた。

ミーク「ほらとりあえず座って...水持ってくるから。」

私が座ったのを確認したミークは、休憩室の中の戸棚を開けてコップを取り出し、手際よくほぼ同時に冷蔵庫を開けて水を取った。


無音の部屋に、水が注がれる音だけが響く。


ミークは再び水を冷蔵庫に戻すと、水の入ったコップを静かに私の前に置いた。

ミーク「飲めそうだったら飲んだ方がいいよ。」

私は小さな声でありがとう、と言って、震える手に強く力を入れてかろうじてコップを掴んだ。


少量、水を喉に通す。


暑くなっていた体がすうっと冷めていくようで、少し気持ちよかった。


リベラ「...おいしい。」

私の消えそうな声を聞いたミークは少し笑みを顔に浮かべた。

ミーク「よかった。少しは落ち着いた?」

私は小さく頷いた。

ミーク「そっか...。」

そう言いながら彼は、力なくテーブルの上に放っておいた私の手をそっと取り、しっかりと私の目を見つめて言った。

ミーク「いい?リベラ。ヴァレットの仕事を舐めたらいけない。辛いことはわかってるんだよ。無理して何日も休まれた方が迷惑かけるんだ。今日は、ゆっくり部屋で休んだらどう?」

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時雨 - fruitさん» レス、ありがとうございます。完結するのを気長に待っていますので焦らず自分のペースで頑張ってください! (2018年3月18日 12時) (レス) id: cfbfe7e2cd (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 時雨さん» うわぁぁぁぁぁありがとうございます!!!とっても嬉しいです!!!最近はpart1の方を書き直していて...あまり更新できていませんが、必ず完結させるので、どうか応援よろしくお願いします!! (2018年3月18日 7時) (レス) id: 11b9204b96 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 物語構成やキャラクターの設定がとてもしっかりしていて読み易いです!ファンタジーのオリジナルで200話以上いくのは凄いと思います。自信を持ってください!応援してます(`・ω・)ь (2018年3月17日 21時) (レス) id: cfbfe7e2cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fruit | 作成日時:2018年2月10日 1時

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