第272話 ページ36
リベラside
魔力ってことは
...魔力を復活させていることがバレたの?
気配は消しているはずなのに
気配がしてるってこと?
ラサ「リベラ?大丈夫ですか?」
そう言ってただ呆然とする私を心配したラサゴベアが、顔を覗き込んできそうになった。
私は咄嗟に体の向きを変える。
ラサ「なんですか突然」
リベラ「魔力って...どういうこと」
ラサゴベアなんかに構ってられない。
今は真実を聞きたい。
顔を合わせてはくれないと悟ったラサゴベアは、私の背中に答えた。
ラサ「前よりも気配が強くなった、ってことですよ。最近異常に気配がすることがあるんです。だから、なにかきっかけでもあったのかと思って心を読もうとしたんですが...そんなに嫌なら別にいいですよ。」
気配が...異常になる時がある?
それは私が気を抜いた時?
リニャーノの魔力を持ってしても隠せないほどの魔力が...?
ということは
これは
...逆にチャンスなんじゃない...?
ラサ「リベラ?大丈夫ですか?そろそろ顔を見てくれませんかね。」
ラサゴベアの言葉で、私ははっと我に返った。
この人の前で自分の世界に入るところだった...
リベラ「え...っと、いや、自分でも魔力強まってるなんて気づいてなかったから...。驚いちゃって。」
無理やり笑顔を作ってそう言う。
ラサゴベアはもう無理に目を合わせようとはしない。
私にはなんの疑いも持たず、そうですか、と発した。
ラサ「何もせずとも魔力が戻ってきているのなら好都合です。炎が復活すればみんなが幸せになる。この世界は安定するし、アリオンだってなにも怖がらなくてよくなる。...あなたはどうも魔力を復活させたくないようですし?もう少し復活して落ち着いたら、光の力に組み込む過程に入ってもいいでしょうね。」
光の力に...
炎の力を...。
そんなことになる前に
完全復活させて
ここを出なきゃ...
私は固く口を締めて、何も言わなかった。
するとラサゴベアは「ああ、それと...」と言って
また私に近づいてきた。
ラサゴベアに背中を向けたまま、ぐっと体に力を入れた。
今度は何...
ラサゴベアはわなわなと震える私の肩をガシッと掴んで
口をゆっくりと私の耳に近づけた。
そして、小さな声で呟いた。
ラサ「あなたが魔力を復活させても暴発するだけ。くれぐれも慎んで行動なさってくださいね。」
リベラ「っ...!!!」
私は肩を開放されるとすぐに掃除機を持って部屋から飛び出した。
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時雨 - fruitさん» レス、ありがとうございます。完結するのを気長に待っていますので焦らず自分のペースで頑張ってください! (2018年3月18日 12時) (レス) id: cfbfe7e2cd (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 時雨さん» うわぁぁぁぁぁありがとうございます!!!とっても嬉しいです!!!最近はpart1の方を書き直していて...あまり更新できていませんが、必ず完結させるので、どうか応援よろしくお願いします!! (2018年3月18日 7時) (レス) id: 11b9204b96 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 物語構成やキャラクターの設定がとてもしっかりしていて読み易いです!ファンタジーのオリジナルで200話以上いくのは凄いと思います。自信を持ってください!応援してます(`・ω・)ь (2018年3月17日 21時) (レス) id: cfbfe7e2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fruit | 作成日時:2018年2月10日 1時