第249話 ページ13
リベラside
リベラ「...本当に来た。」
リニャーノに魔力の訓練をお願いした次の日、まだあれは冗談だったんじゃないかという疑いがあったものの、一応バルコニーで待ってみた。
すると、数分で本当にリニャーノは翼をはためかせてバルコニーにやって来た。
リニャーノは到着してすぐ、昨日のように「気配がいつ気づかれるかわからん。」と言って、半ば強引に私を抱えあげ、柵から飛び降りた。
夜景を見ながら飛びながら、やっとコメントできる余裕ができて、ふと「本当に来た。」と呟いたのだ。
ぼそっと言ったその声は、リニャーノの耳に入っていた。
ユラス「来ると言ったんだ。来ない方がおかしいだろう。」
昨日だけじゃ、魔力を復活させる訓練をするなんて実感は到底湧かなかった。
ただ、待ち人が数分で来て、大空を飛んでいる今、自分は魔力に関わっていくということ意識せざるえない。
こうなったらいち早く復活させて、裏clockを阻止させてやる...!
それからしばらく経つと、昨日と同じ場所に降り立った。
リニャーノは私を降ろすと、私からかなり離れたところに立った。
何してるんだろう...
遠くから、リニャーノがおおいと呼びかける。
ユラス「とりあえずお前の状態を知りたい。これだけ離れているから、安心しろ。今からどこに向かってでもいいから、魔力を出そうとしてみろ。」
珍しく大声を出すリニャーノの指示を理解した私は、わかったー!と、大声で返した。
そして、リニャーノと直角の方向に向かって、魔力を出そうとする。
確か私たちが持つ炎の魔力は、他国王族と違って、拳を握って火を出す工程を必要としない。
...幼い頃の感覚を思い出しながら、体に力を込めた。
集中するため、静かに目を閉じて、腕を突き出す。
魔力を出す...魔力を出す...
リベラ「っ...!」
ユラス「あまり固く考えるな!手にエネルギーを集める感じをイメージしてみろ」
リニャーノからヘルプが出される。
手から魔力が出るのをイメージしながら、もう一度集中する。
リベラ「っ...」
パンッパンッ
ユラス「はい、もういいぞ。」
リベラ「...はぁ、はぁ」
リニャーノの手を叩く音と共に、緊張の糸が切れる。
随分集中していたせいか、息が乱れた。
リニャーノは私に近づきながら言った。
ユラス「やはりお前自身ではまだコントロールできないのだな。」
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時雨 - fruitさん» レス、ありがとうございます。完結するのを気長に待っていますので焦らず自分のペースで頑張ってください! (2018年3月18日 12時) (レス) id: cfbfe7e2cd (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 時雨さん» うわぁぁぁぁぁありがとうございます!!!とっても嬉しいです!!!最近はpart1の方を書き直していて...あまり更新できていませんが、必ず完結させるので、どうか応援よろしくお願いします!! (2018年3月18日 7時) (レス) id: 11b9204b96 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 物語構成やキャラクターの設定がとてもしっかりしていて読み易いです!ファンタジーのオリジナルで200話以上いくのは凄いと思います。自信を持ってください!応援してます(`・ω・)ь (2018年3月17日 21時) (レス) id: cfbfe7e2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fruit | 作成日時:2018年2月10日 1時