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第58話 ページ18

リベラside

少し経ってから、部屋に到着した。
私はドアノブに手をかけ、ドアを開けようとした








...瞬間。









ガシッ

突然誰かに腕を掴まれた。


「えっ!?」


顔は見えない。
部屋のドアを開けられ、中に押し込まれた。

「誰っ...」

ふらついて体勢を崩し、床に倒れ込んだ。





そしてその人は自分自身も部屋に入って
ガチャッと鍵を閉めた。


そこでようやく正体が分かった。



「・・・キリト?」

床に倒れたまま、私はキリトを見上げた。

キリトは立ったまま、上から私を見下ろしている。

「乱暴をお許しください。どうも他の人には聞かれたくなかったようで。」

「え?」

「まだ終わりませんよ。」

「え?」

私はキリトに意味がわからないという顔をみせる。

それに気づくと、キリトは私に手を差し伸べた。

私はキリトの手を掴み、立ち上がる。

「座りましょう。」

「ええ...。」

よくわからないまま椅子に座った。
・・・キリトは立ったまま。

私は耐えられなくなって、口を開いた。

「・・・なに?」

「なに、とは?」

「なんでここに来たの?」

私がそう言うとキリトは、私を見つめながらはっきりと言った。

「まだ全ては話してないでしょう?」


ギクッ

なに
やっぱり気づいてたの?

私は、はぁ...とため息をついて言った。

「...ええ。話してないわよ。一回ラサゴベアの魔法でなんとも新鮮なドレスを着たわ。」

「新鮮、とは?」

「ヒール高い。スカート短い。」

「っ...!」


あ、今動揺した。
私は呆れた顔でキリトに言う。

「こんなくだらないこと、どうでもよかったでしょう?」

キスのことは言わない。
特にキリトには言いたくない。

「・・・あの」

突然キリトの声が低く鋭くなった。
私は平然を装ってキリトの方をむく。

キリトは私に顔を極限まで近づけて言った。

「そのドレスになった経緯を説明してください。」

私は、大きく目を見開いた。
キリト...こいつ見抜いてんの?

「それは...ラサゴベアが魔法で突然。」

「それだけじゃないはずです。」

「は・・・?」

キリトの鋭い視線を浴びながらも、私は屈しなかった。

「それだけよ。何言ってんの。」

私がそう言うと、キリトはため息をついて言った。

「はぁ...私が何年リベラ様にお仕えしていると思っているんですか。」

キリトの言葉を聞き、私は彼の過去を紡ぎつむぎ思い出した。

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fruit(プロフ) - アリスティーナさん» 嬉しいコメントありがとうございます!!こんな昔の作品を掘り起こして頂いて、しかもそんな素敵なお言葉ありがたい限りです...少しずつ暇を見つけながらまだまだ修正していく予定ですので、もっと上手くかけるよう頑張ります。コメントありがとうございました! (2021年6月1日 17時) (レス) id: 9e79a81734 (このIDを非表示/違反報告)
アリスティーナ(プロフ) - 面白いです!!!!書き方教えて頂きたいくらいです!! (2021年5月31日 12時) (レス) id: c1ac6cc63c (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - あいさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません...!とても嬉しいお言葉、本当にありがとうございます!少しずつ直しておりますので、もっと素敵なお話にできるよう頑張りたいと思っております。どうぞこれからもよろしくお願いします! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 素敵な話ですね (2021年1月19日 17時) (レス) id: 1883dbefc1 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 月夜桜さん» おおーーありがとうございます!とても嬉しいです!! (2018年1月14日 19時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fruit | 作成日時:2016年8月11日 0時

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