愛を知らない王女が、愛を学ぶ物語【2】

第56話 ページ16

リベラside

激しく驚く一同に私は言った。

「私の中では国王来た＝攻撃されるなんだけど」

ルナナが呆れた顔をして言った。

「いや...できればその認識捨てていただいて...」

「お怪我は！？？」

今度はラフが私に向かって叫んだ。
私はラフの方を向いてはっきりと言う。

「なし。」

「どのように魔力を受けたんですか？」

キリトは低めの声で聞いた。

「リニャーノの時より至近距離から受けたわよ。右頬からぶっ飛ばされた。」

「お怪我は！？？」

またラフが私に向かって叫んだ。
もう一度ラフの方を向いてはっきりと言う。

「なし。」

「でも、そんなに思いっきり受けたのなら...一応、病院に」

心配そうなルナナにキリトが言う。

「いや、やめたほうがいい。」

「え?」

キリトは少し下を向いた。

「もし、骨や筋肉に支障があれば、詳しい検査を受けることになる。一般国民は魔力の存在を知っている。そしてリベラ様に魔力の傷が見られると、なぜ彼女に魔力が...?と、疑いがかかる。」

私はキリトに続いて手を叩いて言った。

「はい。っていうことで、大丈夫だから。心配しないで。」

「・・・はい・・・」

ルナナは諦めてくれた。

「話を戻しましょう。」

私は続けた。

「それで、攻撃されて、名前聞いて...」


おっと
言ったほうがいいのか？

ここは・・・
心配かけたくないとかじゃなくて、単に言いたくない。





ーーーキスされたとか


「名前を聞いて？」

鋭いキリトが先を催促する。
ごまかすか。

「・・・で、魔法のことを聞いた。」

「・・・」

「魔法のこと？」

「どんな話ですか？」

よし、ごまかせた。
みんなの興味を魔力の方に持っていけた。

キリトは・・・
黙っているけど、気づいた?

私は気にせず続けた。

「魔法の種類。魔力は全て・・・」



そして魔法のことを説明した。

アリオンがこの星を統べる者であること。
今いろんな国が私を狙っていること。

すべてを話す。
皆はいちいち驚いていた。

初めて聞いたことばかりなのだろう。

ただ、

キリトは、
キリトだけは、


一回も表情を変えなかった。

この人...さっきから何かを隠してる...?



「ーーーだから、私に、光の族に入れと。」

「え・・・」

みんなが目を見開いた。

「まさか...行くのですか？」

悲しい顔をするラフに、素直に答える。

「迷ってる。」

「そんな・・・」

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