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第50話 ページ9

数日後

No side

「最近こないなぁ。リベラ。」

少し続いた沈黙の中で、ミオはそう口を開いた。

「風邪かなぁ。見舞いに行けないのが辛いな。」

必死に気まずさをなくそうとするミオに、レナは胡散臭そうな顔をする。

「なんなの?」

「せめて家でも知ってたらなぁ。」

今は放課後。

ミオとレナは隣に並んで、人気の少ない道を歩いていた。
・・・まあいつもはこの道を通らないのだが。

今日はあの話をするために人気のないこの道を選んだ。

「そんなにリベラの真実が知りたい?」

レナが眉間にシワを寄せて訊く。
空気の読めないミオは、構わずに答えた。

「まあな。人の秘密ってのは知りたくなるもんよ。」

「・・・また言わせるつもり?」

レナの顔が怪訝になった。

ミオはレナの雰囲気が変わったのを感じ取った。
しかしミオは、気づいていないふりをする。

レナはその雰囲気のまま低い声で言った。

「言ったでしょ。これ以上こじ開けるのなら、消す。って。」

「ああ。そんなこともあったな。」

反応の悪いミオに、レナは苛立った。

「あのね!?あんまり軽く考えないで!私はあなたのことを知っている!」

「だったらなんだ」

怒りを隠せないレナは、声を荒らげて言った。

「あなたがそういう立場にいることを知っているから言ってるの...その考えなしの発言をやめてって言ってるの!私たちの友情関係だけの話ならまだしも、これは星が、」

「星?」

「あ・・・」

レナがハッとしたように口を手で押さえた。
ミオはこれを誘っていた。

レナが王女であることをさらに裏付ける証拠。
そして、リベラの正体を証明する証拠。

ミオは確信した。
やはりそういうことなんだと。

「星が関係しているっていうのか?全世界が?リベラに関係しているのか?」

「違う!私は・・・」

レナは必死に否定しようとする。

「そう怖がるな。一応俺も、知っているつもりなんでね。お前の秘密。」

ミオがそう言うと、レナは固まった。

「え・・・?」

困惑するレナ。
ミオはそのままリベラの話を続けた。

「まあ、そのうちわかる事なんだ。リベラのことも、国のことも。恐れなくてもいい。」

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fruit(プロフ) - アリスティーナさん» 嬉しいコメントありがとうございます!!こんな昔の作品を掘り起こして頂いて、しかもそんな素敵なお言葉ありがたい限りです...少しずつ暇を見つけながらまだまだ修正していく予定ですので、もっと上手くかけるよう頑張ります。コメントありがとうございました! (2021年6月1日 17時) (レス) id: 9e79a81734 (このIDを非表示/違反報告)
アリスティーナ(プロフ) - 面白いです!!!!書き方教えて頂きたいくらいです!! (2021年5月31日 12時) (レス) id: c1ac6cc63c (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - あいさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません...!とても嬉しいお言葉、本当にありがとうございます!少しずつ直しておりますので、もっと素敵なお話にできるよう頑張りたいと思っております。どうぞこれからもよろしくお願いします! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 素敵な話ですね (2021年1月19日 17時) (レス) id: 1883dbefc1 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 月夜桜さん» おおーーありがとうございます!とても嬉しいです!! (2018年1月14日 19時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fruit | 作成日時:2016年8月11日 0時

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