第84話 ページ45
リベラside
ーー少し間が空き、ついにキリトが口を開く。
その目は、しっかりと私を捉えていた。
キリト「リベラ様のご友人、ミオ様とレナ様のことです。」
リベラ「えっ...」
意外な名前が出てきて、驚きを隠せなかった。
目を見開いていると、キリトは静かに続けた。
キリト「・・・コムチナ国とクオテム国はご存知でしょうか。そのふたつの国は、王子と王女を持っていらっしゃいます。クオテムは王子、コムチナは王女です。どちらも兄弟はおらず、コムチナは次期国王探しに奮闘しているようです。」
そこまで聞いて、粗方予想がついた。
まさか
まさか
リベラ「・・・その王女と王子が・・・?」
キリト「クオテム国王子は、ミオ様、コムチナ国王女は、レナ様の正体です。」
リベラ「っ!!!!!!!!」
そんな
あの二人まで
私を騙してたの?
全然気づかなかった
第一、そんな素振り一回もなかった。
なんで
あんなに優しくしてくれたのに...
私が事実を受け入れるのに時間がかかっていると理解したキリトは、話を続けた。
キリト「お二人は、あの日にリベラ様の部屋の前までいらっしゃっていました。ご自分で魔法を解き、ご自分で正体を明かしていました。リベラ様に言うかどうかは勝手にして、と言われたそうです。」
ルナナ「はい・・・私が、伝言を承りました。」
私は、残されたわずかな力を振り絞ってルナナに顔を向ける。
そうか
王女と王子ということは
魔力持ち...
キリトは再び口を開いた。
キリト「レナ様は音、ミオ様は水の力をお持ちです。」
私の心を読んだかのように、認めたくない事実を叩きつけてきた。
魔力持ちが私に近づく理由はただ一つ。
リベラ「・・・そう・・・。また、私は・・・狙われていたのね・・・?」
キリト「リベラ様、」
リベラ「そんなことも気づかないで・・・信じきって・・・!」
ルナナ「リベラ様っ・・・」
リベラ「あんなにっ...信用してたのに...!」
両手で顔を覆う。
涙が止まらなくて、止まらなくて
またみんなを心配させて
マナ「お姉様・・・」
ラフ「リベラ様、」
もう本当に存在価値がわからない。
キリト「・・・リベラ様?」
キリトが歩み寄ってきた。
ただ呆然と立ち尽くし、下を向き、顔を覆い、泣き噦るだけの私
キリトがせっかく来てくれたのに、そっちを見ることも叶わない。
14人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fruit(プロフ) - アリスティーナさん» 嬉しいコメントありがとうございます!!こんな昔の作品を掘り起こして頂いて、しかもそんな素敵なお言葉ありがたい限りです...少しずつ暇を見つけながらまだまだ修正していく予定ですので、もっと上手くかけるよう頑張ります。コメントありがとうございました! (2021年6月1日 17時) (レス) id: 9e79a81734 (このIDを非表示/違反報告)
アリスティーナ(プロフ) - 面白いです!!!!書き方教えて頂きたいくらいです!! (2021年5月31日 12時) (レス) id: c1ac6cc63c (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - あいさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません...!とても嬉しいお言葉、本当にありがとうございます!少しずつ直しておりますので、もっと素敵なお話にできるよう頑張りたいと思っております。どうぞこれからもよろしくお願いします! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 素敵な話ですね (2021年1月19日 17時) (レス) id: 1883dbefc1 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 月夜桜さん» おおーーありがとうございます!とても嬉しいです!! (2018年1月14日 19時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:fruit | 作成日時:2016年8月11日 0時