どうせ今だけ【月島蛍】 (ページ10)

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学校に登校してから私は自分の席で頭をフル回転させていた。
昨日の帰り、影山にあんな風に大袈裟に自分語りをしてしまったことはもちろん、バレー部のみなさまにあんなに良くしてもらったのにマネージャーになることはあまり考えてないというか。

月島「部活、どうするの」

登校してきた月島がカバンを机の横に掛けながら話しかけてきた。
体は、教室の真ん中の方に向いているが私の話を聞いてくれそうだ。

「みんな部活に真剣に取り組んでいるのに、なんか、私みたいに絶対に入らないといけないから入っただけっていう人が入っちゃうと迷惑なんだろうなって考えてる」

昨日、みんながバレーをしているところを見ていたときも思ったし、影山の話を聞いている時も思った。

この人たちはただの部活って考えてるんじゃなくてバレーを愛して春高という目標を掲げてそれに向かって日々努力を惜しまずしている。

そんな中私が入ったら崩れてしまうだろう、と。

山口「でも俺はAが入ってきたら嬉しいよ」

いつの間にか隣にいた山口に微笑まれる。すると、月島はため息をついて話し始めた。

月島「まあ僕も兄貴がバレーやってたから入ったってだけだけど」

そう言うと、ロッカーに一限目の教科書を取りに行ってしまった。

山口「えっと、今のはツッキーもAと同じ感じだから大丈夫っていう意味だと思うよ！」

山口が慌てふためいた様子でさっきの言葉を修正してくれる。なるほど、言い方が遠回しで舌っ足らずなだけなのか。

ただ意地悪なだけじゃなかったのか。