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日向「Aー！1人か？」
「うん」
日向「一緒に帰ろう！」
「え、大丈夫だよ。それより日向一山越えて自転車で1時間なんだから早く帰った方がいいよ」
日向「なんで知ってんの！？」
「清水先輩に聞いた」
日向「でも危ないぞ！」
「大丈夫だよ、ほらこう見えて私強いし」
空を切るようにパンチして見せれば日向は頭にはてなを浮かべている。これじゃあ物足りなかったか。
日向「あ、影山ー！Aと一緒に帰ってやれよ！じゃあまた明日な！」
影山「あ？」
「え、ちょ日向」
日向は影山に呼びかけてそのまま体育館を出て行ってしまった。体育館にはまだ他の部員もいるが私と影山の間に気まづい雰囲気が流れる。
「いや別に一緒に帰んなくても大丈夫」
影山「校門で待ってろ」
「あ、うす」
影山に言われたとおり私は校門で待つことにした。4月の19時にもなるとあたりは暗く、月明かりしか頼れない。
しばらく待っていると遠くから足音が聞こえる。そちらに顔を向けると、影山がいた。
影山「すまん、遅れた」
「全然大丈夫」
私は影山が隣に来ると歩き出す。今日初めて会った人とこうして帰るのは気まづい。私は何か話題はないかと考えを巡らせていると影山が話し始めた。
影山「お前何組なんだ？」
「私4組。影山は？」
影山「3組だ」
隣のクラスにこんな人いたっけ。まあまだ入学式が終わってから1週間ぐらいしか経ってないから知らないのも無理ないか。
「影山って身長いくつなの？」
影山「180」
「うわでか」
影山「お前は？」
「153」
影山「ほんとにそんなんでバスケやってたのか？」
その言葉を口にした瞬間やべっと小さく呟いた。まあ自覚あるならいいか。
「一応はね。3年になった時レギュラー外されちゃったけど」
影山「なんで外されたんだよ、1番ダメな時だろ」
たしかに、3年でレギュラーじゃなくなるっていうのもうちの顧問がおかしかったのかもしれない。
「入ってきた1年生に私みたいに背がちっちゃくてもジャンプ力と速さがある子が来て速さしか取り柄がない私は外されちゃったんだよね」
影山「…それはお前が高校でバスケに入らなかった理由か？」
「うーん、それもあるけど単純にもうやりたくないって思ったからかな」
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作者名：らう | 作成日時：2024年3月25日 15時
