どうせ今だけ【月島蛍】 (ページ7)

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その後、私はバレーを見ていた。ルールは少しだけ分かる。なにせ、運動は好きな方だったからだ。右や左、下から上へ上がるボールを見るのは楽しかった。

月島は普段のあのイライラするような人を小馬鹿にする雰囲気はなく、真剣にボールと向き合っていた。

「バレーって人が変わるんですね」

清水「うん、そうだね。普段うるさい人とかもああやって真剣になるし」

それは、清水先輩も同じ考えだったようで私の言葉にうんうんと頷いている。

時計を見てみると時刻は19時を指していた。時間が過ぎていくのはあっという間で体感50分だ。

澤村先輩の片付けという声にバレー部員が片付けをし始める。私は近くにあったボールを拾っていたらいつの間にか両手いっぱいに収まっていた。

月島「ﾊﾊｯ小さすぎて埋まってるじゃん」

山口「それ前見えてる？持つよ」

「ありがと山口！山口は誰かと違ってこんなにも優しい」

山口「へへ、そんなことないよ〜」

照れくさそうに頬をかく山口を少し睨んだ月島は呆れた顔をして体育館から出ていった。それを山口が慌てた様子で追いかける。

山口「あ、じゃあねA！」

「ばいばい！」

私もそろそろ帰らなきゃなと出口に歩いていくと呼び止められた。